第16回目はオーディオルームについて紹介したいと思います。

建て替えの目的でもあったオーディオルームですが、広さは12.5畳ほど。16畳ぐらいあるともっといいのですが、そこまで、贅沢はできないので、3.5畳分はWICに回しました。

設計者が前のめり

住友林業と契約後、前の家で打ち合わせ時、設計者が「オーディオ見せてください。」と。アンプとかスピーカーを見て、「マークレビンソンやマッキントッシュのアンプ、LINNのレコードプレーヤー、大型のJBLですか。すごいですね!実際見たのは初めてです」と。なかなかオーディオに詳しそう。その後何日かして、打ち合わせ時に設計者が「オーディオルームの断面図を書いてみました。どうでしょう?」と突然手書き図面を見せてくれました。いろいろ考えてくれていたんですね。「いいですねえ!」と私。他の部屋よりここだけかなり進んでいました。

その時の手書き断面図がこれ。

断面図は中央部分ですが、勾配天井になっていて、スピーカー側にはウッドパネルと間接照明。結局、最後までこのままで進めてもらいました。

CG画像だとこんな感じ。(我が家のJBLスピーカーがCGライブラリーにあったようです)

防音のために

「防音上、一番音がもれるのはドア。通常のドアは24時間換気のこともあり、下部が数ミリ隙間がありますが、しっかり密閉できる防音ドアの方がいいですよね?」と大建工業のものにしてくれました。

さらに「オーディオルーム周囲の壁すべてにグラスウールを入れるようにしておきます。天井は通常の二重グラウウールのままで大丈夫でしょう!」と設計者。(通常は外壁側のみにグラスウールを入れるようで、室内壁にも入れてくれました。)大ボリュームで聴くわけではないので、この防音ドアと壁のグラスウールで充分防音効果になります。

床補強と振動対策

設計者の前のめりは続きます。スピーカー1台100kgが左右で2つ、パワーアンプ1台50kgが4つ、・・・など機器類の重量を伝えてあったのですが、設計者から「標準の床強度でも大丈夫ですが、念のため梁を通常の2倍にして床強度を上げておきましょう。通常の910mm間隔が455mm間隔になります。」と床補強をしてくれました。

写真は工事中の2Fオーディオルームの床付近になる梁。(梁の間隔が狭くなっています)

そして、設計者から更なる提案。「振動対策として、ゴム硬度値が高い8mm厚の防振ゴムシートをフローリングの下に敷くのはどうでしょう?柔らかいゴムでは音が悪くなると思うので、ゴム硬度の高いものを探しました。」と言ってサンプルも見せてくれました。確かに重低音は床を伝わって1Fに響くので効果あると思います。提案通りお願いしました。余談ですが、建築中、現場監督の生産者さんから「オーディオルームに8mm厚のゴムシート敷く関係で、2階の他のところは全て8mmの合板をフローリング下に入れて、高さを揃えています。なので、通常の2F床よりしっかりした感じになっています。」と言われました。生産者さんもこのゴムシートは初めてのようでした。

建築が終わって、完成引渡し時に飛び跳ねて、床の強度、振動をチェックするとスピーカー設置付近のひとつのコーナーがほんの少し響きが残りました。スピーカー付近なので音響的に影響があるかもしれないと伝えると、別補強の手直しすることになり、完成後の1Fリビング天井をはがすことに。そして、響く付近の梁と床下から防振ゴムと合板を貼って振動対策のための補強をしてくれました。おかげで、床の振動はさらに改善されました。

写真は完成後、1Fリビング天井をはがして、梁に防振補強してくれた時のもの。この後、天井ボード、クロスを貼り直してくれました。

専用コンセントも

「コンセントはブレーカーから直接引きましょう!その方が音質が良くなると聞いています。」と設計者から先に言ってくれました。電圧、電流変動の軽減には専用接続の方がいいので、元々そうお願いするつもりでしたが、こちらが言う前に設計者から提案してくれました。ナイス!!
コンセントはオーディオファンに定評のあるパナソニック製コンセントWN1512K+シルバー色のカバーWN7503、無めっきアース付を指定。設置高さはコンセント上面まで床から180mmに変更してもらいました。通常は360mmだそうです。低い位置にコンセントを付けてもらったのは、後から付ける調音パネルをコンセント上から設置するため。正面のウッドパネルに穴をあけたくなかったので、スピーカー横壁左右4個づつ、計8個の専用コンセントを設置しました。

インテリア担当に指示

設計者はインテリアデザイナーに先の断面図を示しながら、ウッドパネル上の間接照明の位置や明るさコントロール、天井ダウンライトを首振りタイプのスポットライトなど指示。(勾配天井なので、斜めにつくので首振りでスポットの位置調整ができ、本などを読むのに最適。)

さらに「カーテンボックスをこうつけて、レールは回り込むようにして・・・」と設計者がインテリアDに指示。ノリノリの設計者。これもナイスです。で、カーテンはサンプルの中から吸音もする遮光カーテンをこちらで選択しました。オーディオルームはいつもカーテン閉めっぱなしなので。

床材は私の好きなチークの予定でしたが、設計者から「床はウォールナットの方がシックでいいでしょう!ほかの部屋と違い、特別な部屋の雰囲気にしたらどうでしょう!」と提案してくれましたので、プライムウッドのウォールナットにしました。貼る方向は音速を上げるために聞く方向と同じにしてちょうだい!と私。

ウッドパネルもウォールナットの提案ありましたが、これはチークのままにしました。今思うとウォールナットも良かったかも。造り付け家具は聴く側の背面中央に住友クレストのウォールナットチェスト。カウンター奥行310mm。その両脇にクレストのウォールナットの固定棚を設置(奥行270mm)。天井隙間は壁のフカシを考えて設計してくれました。

さすがに壁紙は自分で選択。背面チェスト上は吸音のため布生地のクロス。アクセントに少しグレー色にしました。その他はクロスサンプルの中から音響効果の良さそうなデコボコ感の白っぽいものを選択。

我が家のオーディオルームは設計者がかなり力を入れて設計してくれましたが、我が家は特別とのこと。オーディオ機器を見てのことだと言っていました。元々建替え動機の一つに、「オーディオルームを改善するため!」ってこだわっていたのを設計者も知っているので、前のめりになったのでしょうね。オーディオのことを分かってくれている設計者で良かった!!!まあ、提案はほとんど言いなりに採用したので金額無視??とも言えますが。

12.5畳と決して広くない我が家のオーディオルームですが、完成時に生産者さんが「この家はオーディオルームにお金かけてますねえ!リビングよりお金かけている家は珍しいです。落ち着いたら一度、ここで聴かせてください。」と。そんなにお金かかっちゃった? (スミリンの罠?)で、引っ越し後、仮セッティング状態でしたが、生産者さんに聴いてもらいました。生産者さんは「ちゃんとしたオーディオで聴いたの初めてなのですが、ピアノの音とか女性ボーカルの声が目の前にいるようで生々しいですねえ!」とおっしゃってくれました。(けなすわけないか。)

最後にお薦めのオーディオチェアを紹介。エコーネス社のストレスレスチェア マジックMという商品です。北欧のメーカーですが、座り心地と総革張りのなめし革、質感が最高です。(お値段高いですが、お薦めです。)

次回は水回り(キッチン、洗面、風呂)について書きます。