セキスイハイムの家は工場で作る

セキスイハイムの家作りの8割以上は工場で行われます。そのセキスイハイム自慢の工場の見学ツアーに参加することになりました。

打合せを行っている展示場に集合し、バスで約2時間。

車中はハイムの紹介ビデオを見たり、営業トークを聞いたり、お菓子とジュースが配られたり、バス旅行気分で楽しかったです。妻は妊娠中な上、長男の面倒見て疲れたんだろなと思います。

工場に着いて、概要説明。1日の生産ユニット数は約135ユニット/日(約10棟分)、約215棟/月の生産能力。ということは、月約21日稼働で、土日は稼働していない計算になります。(見学日は土日でしたが、工場は止まっていました)

敷地は東京ドームの約2個分ということで、大手メーカーの工場としては中規模というところでしょうか。工場はもちろん生産機能が目的ですが、このように集客機能としても一役買っているようです。

工場に入ってすぐにスケルトンの構造体が展示してあり、水平部にはブレース構造となっていることが分かり、大変参考になりました。(カタログ用のユニットには水平部のブレースは載っていませんでしたので)

工場見学ルートは、生産の流れに沿っての見学だったので、ユニットが出来上がるまでの工程がイメージし易かったです。

まずは床の梁製作。床の梁フレーム同士はアーク溶接で接合しています。アーク溶接は溶接の中では最も一般的であり、溶接部の品質をチェックするため、溶接したプレート同士を引っ張り試験をすると溶接した部分ではなくプレート自体が破断してしまうほど強度が出るとのことです。これだけ強固な溶接で接合しているのはすごく安心できると思いました。

次に天井フレーム製作。通常の建築方法では、天井作業は上向き作業となるので、効率悪く、ミスが出やすいので、セキスイハイムでは工場生産の利点を生かして、天井を反転して下向きで作業するように工夫しています。これにより高い施工精度と気密性向上に繋がっているそうです。また、現場での作業を極力減らすために配線関係もこの段階で施工してしまうようです。工具を上向きに使用するのは難しいので下向き施工は説得力があると感じました。

次はいよいよメイン。柱と梁の接合。先ほどとは違う、スポット溶接という溶接で接合しています。溶接1か所あたり4トンの強度が出るようにしていて、1コーナーで約50トンもの強度があるようです。こうやって数値で強度を表せるのが鉄骨造の強みだと思います。(木造では材料のバラつきが大きい)

出来上がったユニットは0.1mmの測定精度の計測ロボットで寸法検査を行います。誤差の範囲は0.5mm以内ですが、操業以来一度も不合格になったことが無いようで、ユニットの製作精度の高さが分かります。

途中昼食を挟んで、工場内にあるモデル棟の見学と地震体験装置、空気質体験コーナーなどの体験施設を見学。夕方4時頃帰路につきました。

工場見学をしてみての所感は、やはり現場と違い、管理が行き届いているのが一番のメリットだと思いました。現場では見過ごされる小さなミスも、工場では検査員などが発見し、是正がされます。大手企業なので是正内容の水平展開や改善などのPDCAシステムも確立しているでしょう。つまり、品質はどんどん良くなっています。やはり、品質を重視するならセキスイハイムやトヨタホームのユニット工法が一番だと再確認出来ました。

住宅建築業界では腕のいい職人不足が大きな問題となっていますが、セキスイハイムの家作りは工場で行われるので影響を受けにくい。ただ基礎工事や据え付け工事などは人の手で行われる部分が残ります。そこだけに注力すれば欠陥住宅とは無縁の家づくりが出来ると確信しました。