需要と供給のバランスからも価格が値崩れするのも当然です。
誰もがいやがる管理組合の役員といった仕事もあります。
すすんで何年もこの仕事を継続してやる方が、実は管理費修繕積立金を横領していた、といったこともたまにある話です。
現に越後湯沢のリゾートマンション576戸の管理組合で、組合理事長が16年に渡って11億円を着服していた事件があった。
戸あたり約190万円ですね。
うーん、涙がでてしまう。
マンションを売りたくても買う人がいない。
維持費が年々高くなる。
マンションを利用しなくもなる。
そうなると、管理費や修繕積立金を滞納する人も増えて来ます。
とは言っても、今は、買う人もいるようです。
価格が20万円くらいであれば、家賃と比べて圧倒的に安い、と言った観点から。
ところが、その状態がもう既にスラムの始まりなのです。
ニューヨークのハールムがまさしくそうなのです。
20年後の越後湯沢のリゾートマンション、スラム化が進むことは間違いないでしょう。
首都圏でも昭和40年代に建設されて、建て替えを行うことができないマンションは、越後湯沢と同様に100万円を切るものもあります。
こういったマンションは高齢者が多く、亡くなられた場合、相続した方もお荷物になるだけになり、相続放棄をされた場合は、国庫へ引き継がれるわけですが、物納ができないため管理組合がその住戸を速やかに清算する必要があります。
それをしないと、その家の管理費と修繕積立金が管理組合に入ってこなくなるからです。その業務はとても大変で、これからどんどん増えてくるかと思います。
そして戸建てと違い、分譲マンションは除却が難しく(現時点では建て替えを除くと実績はゼロです)、建て替えも余程な条件が整わないと、実施できません。
余程な条件とは、代官山の同潤会のように、従前が低密度だが従後は高密度に配置できる敷地であり、分譲マンションとしての需要があるところ、です。
これがクリアできない場合は、権利者が建て替えに際して例えば2000万円程度負担することを受け入れることが必要になります
建て替え検討を行っている管理組合は多数ありますが、2015年4月時点で竣工したもので183件しかありません。
そして、現時点もたくさんのマンションが建設され、供給されている。
老朽化マンションが増え、維持管理できない管理組合が増え続ける。
将来、どのマンションでもトランプのババ抜き状態になり、マンション全体の価値は暴落するとしか思えません。

(こちらは以前住んでいた家のすぐ近くの自由が丘マリクレール通り)