注文住宅、といえばなんでも自分たちの好きなように設計できる。

というイメージを持つかもしれませんが、実際には色々な縛りがあることが多いです。

その中でもハウスメーカーは特にその得意分野の色が強く出ます

ハウスメーカーを選ぶ時の重要な項目として、自分たちの思うような家ができるかどうか、は一つのポイントです。

 

ハウスメーカーの自由設計は縛りが多い

自由設計なのになんで制約があるの!?なんでもできるんじゃないの?

と思われるかもしれません。

ハウスネーカーの営業さんは基本的にできません。とは言いません。

大抵のハウスメーカーは施主の理想の100%は無理でも、設計でそれに近づける形で提案してくれます。

ただ、会社としての特色、耐震性など施主に満足してもらいたい!

という点は譲れない点であります。

基本的には、コチラの家は耐震基準を満たしていますが、コチラの家は満たしていません。などということは無く、抑えるべく安全性であったり、断熱性能であったりを満たさない設計はせず、それを超えるような注文は設計士さんから断られる可能性が高いです。

自由設計とは言っても、少なからず制約は出てきてしまいます。

 

どんな家が好みか、どんな家にしたいか、また、どこまで妥協できるか。

その当たりを、契約前に見極めていく必要があります。

 

ハウスメーカーの耐震性

ハウスメーカーは住宅展示場で色々な家を展示しています。

其の中で一番重要視されているのが、耐震性です。

通常住宅展示場では耐震等級3でないと建てられない、といった基準もあるぐらい重要視されています。

建てるだけであれば耐震等級1で大丈夫なのですが、その1.5倍強い耐震等級3でないと建てさせてくれないハウスメーカーもあります。

このため、奇抜な形をした建物はかなり難しく、概ね四角い家ができあがります。

四角い家だからと言って、まだまだ屋根だ窓だと工夫して面白くすることはできます。

ただ、デザイナーズハウスのように、あっと驚く家を作ることはハウスメーカーでは難しいです。(不可能ではないと想いますが。)

 

コスト削減の考え方。

また、大手ハウスメーカーは、家を建てる材料を大量発注することでコストを落とし、利益を出しています。

そのため、特注の部材が多くなるような家はできないと言われるケースが多いです。

例として、卵の形をした家だとか、全面ガラス張り家だとかはかなり難しいといえます。

逆に言えば、カタログにあるような家を作るのは大得意。

品質的にもしっかりした家ができあがります。

 

え?これもだめ?些細な事がネックになることも。

ここからは我が家の一条工務店の例になりますが、一条工務店は特に縛りが多いと言われています。

大部屋を作ることが難しい(間に壁が入るなど)

吹き抜けは家全体の半分の大きさが限界。

床のフローリングは1階と2階と一緒にしなければいけない。(今は解消されました^^)

オープンステアは片側壁でないといけない。

家の面積に対して壁が太い。(断熱性能のためです)

窓の種類が少ない。

などなど。結構細かい条件が存在していたりします。

ただ、大抵の場合、上に上げたような耐震性であったり、コストであったり、ハウスメーカーなりの理由があります。

 

大部屋、吹き抜けの話はツーバイフォーの家の場合必要な耐震性を取れないからであり、大きな部屋を作りたい場合は、

やはり鉄骨を採用しているハウスメーカーがいいと思います。

ただ、鉄骨は熱を伝えやすいため、断熱性能が下がってしまうということもあります。

窓の種類が少ないのは、その断熱性能の確保のためであったり、壁が太いのも、必要な断熱材を入れるためであったりします。

色々な制約の中で自由設計をしていかなければなりません。

自由設計とは言うけども何を伝えればいいの?

また、こんな話も聞いたことがあります。

 

”自由設計って言われるけど、何をしていいのかわからない。”

 

設計士さんは魔法使いではありませんので、施主の心の声を読み取って、設計に反映してくれる。

なんてことはできません。(経験豊富な方ならもしかしたら・・・)

 

結局はハウスメーカーや設計士さんからこんなのはどうでしょう。

というたたき台を提示してもらい、ある程度設計のレールに乗せてもらった上でお客さんの要望を盛り込んでいくことになります。

問題はそれを良しとするかどうかかな?と思います。

 

自由設計だから!!!と何から何まで要望を通そうとすれば、先に挙げた制約に大抵引っかかります。

心情的に自由設計だから自由にさせて!とは思うのですが、それではハウスメーカーが提供する性能の家が建ちません。

自由設計だけども、なんでも自由にはいかない。ということは施主としても心に留めて置かなければいけないことだと思います。

 

決められた枠があるから、いろいろ考えられる。

我が家の場合、一条工務店の家の性能の部分に惹かれて契約したので、其の点を妥協することはなく、

代わりに様々な制約の中で自分たちの住みよい家を設計してもらいました。

自分の場合、その枠の中で最大限考えることが出来、打ち合わせをして、納得した上で家を建ててもらっています。

なにもないところから、はいどうぞ、と言われてもぼんやりとレールに乗っていただけで、納得のいく打ち合わせができたかどうか?と言われると少し不安です。

多くのハウスメーカーは現代の家について付加価値を乗せて、家を売っています。

その付加価値分をどう捉えるか、というところもハウスメーカーを選定する理由になるかなと思います。

 

色々と調べて、聞いて、好きなことを話せる営業さん、設計士さんと家造りができると楽しい家造りになるかなと思います。

それでは今回はこの辺で。