こんにちは!ご機嫌おやじです。

第6回の記事は、構造の話です。

 

中堅ハウスメーカーの場合、基本は木造建築になるかと思います。

やはり鉄筋・鉄骨系は大手ハウスメーカーですね。

 

木造建築といっても、木造軸組工法2×4工法があります。

2×4工法は壁による面の組み合わせで作られているため耐震性が優れていますし、高度にシステム化・マニュアル化されているため品質が安定していると言われています。

しかし、今回廻った4社の中堅ハウスメーカーはどこも木造軸組工法でした。

2×4工法を採用しているのは大手ハウスメーカーか工務店が多いようです。

最近は木造軸組工法でも耐力壁、耐震パネルなどを張り付け、面としても高い耐震性を確保しているので、以前ほど2×4工法のメリットはないようです。

逆にデメリットは壁を面として利用しているので、間取りの変更が難しいこと。こちらについても、木造軸組工法においても耐力壁として筋交を入れている場所は外せないなど、同等と考えても良いかもしません。

つまり、あまり差が無いと捉えました。

 

次に構造躯体となる木材ですが、大きくは無垢材集成材に分かれます。

無垢材の中でも年輪の真中を使っている木材を芯持ち材というそうです。

無垢材は年月を重ねるごとに堅い木になっていきます。

そのため若い木や伐採して十分乾燥されていない木を使うと木の伸縮が大きく反りや割れも発生し、品質が安定しないそうです。

同じ木材でもどの場所にどの木材を使用するか、大工の目利きが非常に重要になってきます。

 

対して、集成材は板と板を接着剤でくっつけているため将来的に接着剤が持つのか、またホルムアルデヒドによる健康は大丈夫かといった問題はありますが、品質は安定しています。

 

高級感からいえば間違いなく家全体に無垢材を使用していますというほうが聞こえは良いのですが、大手ハウスメーカーになるほど、品質の安定を優先するため集成材を用いているようです。

無垢材を使用した家は、やはりこだわりの家と言えるのでしょう。

 

そんな4社は全て集成材です。

中でも本命のウェルホームは集成材の板をさらに細いベニヤ板にしたLVL材というものを用いていました。

このLVLとは、Laminated Veneer Lumberの略で、単板積層材とも呼ばれています。

名前の通り、厚さ4㎜程度のベニヤが複数枚重ねられたものです。

ウェルホームの営業から「このLVLが非常に良いものです!」と言われていて、サンプルを触らせてもらったり、乗ったりしました。

確かにベニヤ同士が高圧でプレスされているので、非常にずっしりと重く堅いです。

この堅さのおかげで、通常の集成材では梁の長さが3.6mくらいまででそれ以上広い空間をとりたければ柱を入れないといけないのですが、LVLを使用した場合は4.5mまで大丈夫とのことです。

広いリビングが欲しかったのですが、描いた間取りを柱を入れることなく実現できるのはLVLを採用しているウェルホームだけでした。

他にもシロアリ対策として薬剤をベニヤの段階で浸透させてから加工しているため、木材の奥まで十分行き渡っており、表面塗装だけで効果が落ちていくものではないそうです。これは分かりやすいかもしれません。

しかしネットで調べると色々とデメリットも出てきます。

大量の接着剤を使用しているためホルムアルデヒドはほぼない、フォースター建材だが、やはり無垢材ほど完ぺきではない。

その接着剤もフェノール樹脂という理論的には300年以上持つものを使用しているが、開発されてからそこまで年数が経っていないため理論値でしかない。

湿度が高い場所での劣化が激しいはず。というようなものでした。

決定打は無いような気がしますが、間違ってもいない気もします。

木材の比較だけでも難しいですね。

 

次は断熱についてです。

断熱材はものすごい種類があり、こだわるべきところだと思います。

多分いろいろな人がこだわって選んだ記事にあるのでそちらにお譲りします。

我が家では外断熱もすごいなと思ったのですが、普通の内断熱にし、断熱材は張り付けるものではなく吹き付ける発泡ウレタンフォームを採用しました。

張り付けるものは家の振動で中身がずれてくる可能性があることと、張る大工により品質に大きな影響があるとのことでしたので、しっかり隙間なく埋められずれず、専門業者が吹き付けるため品質が安定しているためです。

ウェルホームはアイシネン、H住宅はアクアフォームという製品らしいですが、この性能差は分からないので同等としました。

 

断熱の範囲は上は屋根断熱天井断熱があります。

これは小屋裏を作る場合は屋根断熱が必須です。天井断熱としてしまうと小屋裏に断熱材が入らないため夏はいることが出来ないくらい暑くなるそうです。

 

そして、下は床断熱基礎断熱があります。

基礎断熱はコンクリートの基礎部分を断熱材で覆ってしまうそうです。

より家全体があったまりそうですが、この断熱材がシロアリの好物であったり、床下は湿度が高く、結露も起こすので床下換気が必須となるなど、多くの建築士の方があまり好きではないとの意見があったので、床断熱にしました。

非常に寒冷地であれば、基礎断熱は効果が高いようです。

 

そして外壁です。

多くのハウスメーカーが採用しているのが、サイディングという板を張り付けているものです。

サイディングは非常に多くのデザインがあり、綺麗に見えます。

しかし、工場生産のボードを張り付けているのでボードの間にシーリングという接着剤で隙間を埋めており、これが結構目立ちます。

これが非常に安っぽく見えて、さらにこのシーリングが10年ごとに打ち直さないといけないのでメンテナンスが大変そうです。

また、サイディングが直射日光に当たる場所は特に色褪せてきて、残念な家を結構見かけます。

 

メンテナンスを考えると一番良いのはタイル張りだと思います。

マンションや商業ビルもタイル張りが多いのはメンテナンス性の良さからでしょう。たまにタイルが欠け落ちているビルも見かけますが、基本的には建物が建っている間は持ちそうな気がします。でも、コストが高いです。

 

そこで、パワーボード(ALC)です。

もともとへーベルハウスが好きだったことがありますが、木造でもパワーボードを使えることを初めて知りました。

調べてみるとどうやらへーベルハウスの重量鉄骨で使用しているパワーボードとは違うもので、木造用に薄くしているものらしいです。

それでも厚さは37㎜もあり、サイディングの16㎜と比較すると倍以上の厚さがあります。

この厚さが断熱性、静穏性、耐久性を提供しています。

中古物件を見に行った時も、へーベルハウスの家は築30年でも非常に外観は綺麗でした。

あのタイル調のデザインが単調で好きではないという人が多いため流行らないようですが、私は好きです。

 

木材、断熱材、外壁材等、構造に重要な部分です。

工務店ですと塗壁でもサイディングでもパワーボードでも出来ますよというところも多いですが、ハウスメーカーだと決まった範囲で選んでくださいという制約が多いです。

構造に関わるところはハウスメーカーにより決まってしまうので、水回り等の設備とは異なります。

モデルハウスの見た目に騙されることなく、構造はしっかり比較しておきたいところです。

 

次回はハウスメーカーの決定です。