各工法のまとめ


木造に続いて、鉄骨の工法についてまとめて、私がどういった基準で絞っていったかを書きたいと思います。

 

鉄骨軸組工法


住宅向け鉄骨造では最も一般的な工法です。木造軸組みの材料を木材から鉄に変えたイメージです。

主な取り扱いメーカー

  • 積水ハウス(ユニバーサルフレーム)
  • ダイワハウス(XEVOシリーズ)
  • パナホーム(HS工法)
  • へーベルハウス(ハイパワードALC構造)
  • サンヨーホームズ
  • トヨタホーム(EST工法)

上にも書いた通り、基本的な構造は木造軸組みと同様に柱、梁、筋交いを利用した構造です。鉄を材料としているので木材よりも精密な強度計算が出来て信頼性が高いのが特徴です。また接合部もボルト接合により、強固に接合出来ます。(私的には木造軸組みは接合部の信頼性が高くないと考えています)

ブレース構造や制振装置など、各メーカー独自の技術があります。柱や梁の形状は既製品の角パイプ、Cチャンネル、Iビーム鋼が用いられます。

例えば積水ハウスやサンヨーホームズ、ダイワハウスのXEVO Eでは高減衰ゴムを使用した制振装置により、揺れを抑えています。

パナホームとヘーベルハウスは低降伏点鋼をブレース構造に内蔵し、揺れエネルギーを柔軟性のある鉄を塑性変形させて揺れを抑えています。

ダイワハウスのXEVO Σは少し特殊で、D-NΣQST(ディーネクスト)と呼ばれる断面がΣのデバイスが揺れを抑え

ています。

鉄骨軸組について分かりやすく説明したHPを貼っておきます。

http://keiryoutekkotsu.info/drivingmethod/23.html

 

鉄骨造の特徴は、工場で作った部材を現場で組み立てるプレファブリケーションにあります。

メリットは大量生産によりメリットを下げる、品質のバラつきが少ないなど。

品質のバラつきが少ないことは私が重視している点ですので、候補として残すこととしました。

 

 

鉄骨ラーメン構造


主に重量鉄骨を用いた構造で、住宅向け鉄骨造の中では耐震性No.1だと私は思います。3階建てなどの建物に採用されるケースが多いです。価格帯も最高ランクです。

主な取り扱いメーカー

  • 積水ハウス(フレキシブルβシステム)
  • パナホーム(NS工法)
  • へーベルハウス(重鉄・システムラーメン構造)
荷重に対しては主に柱と梁の曲げによって抵抗するため、柱と梁は非常に太いものとなります。大型の柱と梁だけで構造を成しており、非常にシンプルな構造で、ブレースなど不要なため大開口空間が実現出来ます。

高層ビルも同様の構造で、その技術を住宅に応用したイメージです。繰り返しになりますが、非常に高い耐久性・耐震性を持つ一方費用も高額となるため限られた人にしか建てられないと思います。(私は南関東県ですが都市部では3階建ての重量鉄骨住宅が一般的なんですかね?)」

ある重量鉄骨を扱うビルダーのHPが分かりやすく書いてあるので、参考に貼っておきます。

http://suzuichi-tetsu.jp/difference.html

耐久性があり、耐震性もある。また品質のバラつきも少ない工法としてそこだけ見れば私の理想の工法ですが、私の土地は第一種低層地域なので3階建てを建てることは不可能。2階建てで重量鉄骨を建てるコストとメリットを勘案して候補から外しました。(単に予算が許さなかっただけw)

 

ボックスユニット工法


鉄骨ラーメン構造のボックス型ユニットを工場生産し、それを建築現場において組み合わせるという構造。工場生産比率が80%を超え、究極のプレファブ工法だと思っています。

主な取り扱いメーカー

  • セキスイハイム
  • トヨタホーム(シンセシリーズ)
  • ミサワホーム(ハイブリッド工法)

 

上に書いたラーメン構造同様、荷重に対しては主に柱と梁の曲げによって抵抗するため、軽量鉄骨のなかでは柱と梁は非常に太いものとなります。(□100から125mm)ブレースなどが不要なため、大開口空間が可能です。

致命的な弱点としては、間取りの自由度が少ない、重機にて据え付け出来ない土地(道が狭い、旗竿地など)は建設不可です。

なんといっても工場生産率80%以上というところに魅力を感じました。また、構造的にもブレース不要なことで、土地形状に合えば開放的な空間が実現できると思い、候補として残しました。

 

パネル工法


こちらはパナホームのみ扱っており、柱と梁をパネルで一体化させたモノコック構造で、木造のツーバイ系と同様の構造です。F工法と呼ばれています。

 

同じパナホームのHS構造よりも安価で、まずはこちらの工法を勧められます。パネルが規格化されているので、HS工法にくらべ自由度で劣るようです。

営業は強度はFとHSでどちらも変わらないと言っていましたが、豪雪地帯ではパネル工法は補強が必要ということで、HS工法のほうが強度的に勝る印象です。

パナホーム F工法の紹介HPを貼っておきます。

http://www.panahome.jp/sumai/technical/taishin_f.html

 

木造の2×4が耐震性が高いのは過去の地震で実証済。その鉄骨版となればさらに信頼性が高いと思い、候補として残すこととしました。