家づくりについて業者の方と話をしているとおもしろい事を聞けました。

「今の法律では昔ながらの大工の工法では基準に届かないんだ」

えっ!?どうゆうことですか?

「今の家づくりは木と木を金物で繋ぐ工法じゃないと基準に届きにくいんだ。昔は釘で打ったり釘を使わず木を加工して結合させていたんだけどね」

確かにハウスメーカーを見るとそうかもしれません。

自社オリジナルの○○工法と言わんばかりに説明を受けます。

金物は基準とされている数値が高く評価され、法律をクリアすることができます。

また今ではアパートやビルに使われる鉄骨での家づくりをするハウスメーカーも増えてきています。

日本の法律では3階までは木造で建てることができますが、4階以上は鉄骨が必須です。

鉄骨の方が日本では家の頑丈さ、価値で高いとされています。

ただ一般的な平屋・2階建て・3階建ては木造で十分、建築基準に達します。

 

耐震性に関して日本では高い基準を設定しており、結合部の金物は必要だとしても、鉄骨で家を建てる必要性があるのか考えさせられます。

イメージとしては木より鉄骨の方が強いでしょう。

ただ四季折々の風土を持つ日本では、錆びる可能性のある鉄骨と切られた後も呼吸を続ける木材、どちらが適しているのか好みが別れます。

具体的な数値・見解では各社異なった説明をします。

ただ業者はおもしろいことを言います。

「日本の法律がある以上どこのハウスメーカー・工務店で建てようが、木材・鉄骨を使おうが、耐震性には問題ないから安心して。どこで何を使って建てようが家はプラモデルのように、説明書を見れば誰でも建てられる仕組みになっているんだから」

 

安心する反面、疑問も生まれますよね?

昔から言われる『腕の良い大工・悪い大工』とは何なのだろうか?

業者いわく

「腕の良し悪しは大工の性格、その工務店の指導方法に強く影響するんだよ。家はプラモデルに近いから、建てとようと思えば説明書(図面)を見なくても感覚で建てられる。ただ感覚で建てると間違えも起きるし、雑に作れば狂いも生じる。建て売りでなければ同じ家は二つと無いんだから。疑問に思った時に説明書(図面)を見たり、現場監督や棟梁に聞く事が極めて大事なんだ。時に安く雇える外国人ばかりの現場があるけど、言葉が通じないのにその疑問をどう解消するのか不安だよね。あと現場監督が1週間以上来ない現場も不安かな」

 

私は深く納得しました。

一つ一つの行程を正しく丁寧に行うことが必要なんです。

人件費を下げるために工期を短くするという風潮があります。

これは本当に正解なのでしょうか?

終わりが決められていては大工も時間に終われ、いわゆる突貫工事になりがちです。

それでは質問もできなければ疑問が疑問のまま家が完成してしまいます。

家づくりに一番大切なことは、大工が気持ちよく丁寧な仕事ができる雰囲気をハウスメーカーや工務店だけでなく、我々お客であり施主である需要側の気の持ちようではないのでしょうか?

この記事を読まれた方の頭の片隅にでも残れば幸いです。

過度な値引きは末端の大工の人件費に直結します。

それだけは避け、大工が働きやすい環境をつくってほしいです。

 

私は建築と全く関係の無い仕事をしていますが、親戚に大工がいます。

やはり話を聞くと悩みの種は工期です。

また自分の家づくりを満足いくものにするべく、いろんな人の話を聞くと同じ結論に辿り着きます。

 

家づくりで大切なこと。

それは材料やブランド力でなく、大工の働く環境を整えることなんだと。