こんにちは。
くらそうねライターの豊田有希です。
富士山と生きるおばあちゃんの知恵では、山梨県巨摩郡身延町に住むおじいちゃん、おばあちゃんの暮らしの知恵を毎月紹介しています。

第24回の8月(葉月)。
8月のお盆明けには涼しい風が吹き始め、秋の訪れを感じるようになりました。 
約1ヶ月ぶりに訪れたおばあちゃんのお庭や畑はかなり様変わりしていました!
手入れされたお庭はサルスベリの花が満開。
色は白、ピンク、紫、濃いピンクの4色。
色とりどりのお庭は見ているだけでも賑やかです。

花がすぐ落ちてしまうので、おばあちゃんはこんな風に飾って楽しんでいるそうです。

今年は畑のすぐ側に大輪の山百合が見事に沢山咲いていました。
緑の中に”白の百合”が映えてとてもきれいです。
おばあちゃんは花をわざわざ植えるのではなく自然に任せているので、毎年同じ花でも花が咲く場所が違います。
花が枯れた後、自然に種が落ち風に飛んで着地した場所で育ち花が咲きます。
どこで花が咲くか、どれくらい花が咲くかも自然任せです。
だからこそ、「あ、今年はここに咲いたのよ」と嬉しそうに話してくれます。
そんな自然の偶然も楽しんでいるようです。
自然に落ちた種が育つようにと、春はお庭の地面の雑草を草刈機で刈るのではなく、手で雑草を抜いているそうです。
そうすることで、お花の芽を気づかずに刈ってしまわないようにしているそうです。
毎年どこでどんな風に花が咲くかわからないというのはちいさな驚きの連続で、とてもわくわくすることだなと思いました。

物語の中に入り込んだ?!背の高い里芋畑

そして、白い百合の奥には、見事な里芋畑ができていました!!なんと背丈が、おばあちゃんと同じくらいあります。
物語にでてきそうな見事な大きさです。
葉っぱの部分は傘になりそうな大きさで、思わず遊びたくなりました。

秘密は水にあり。

里芋は育つときに水を必要とするそうなのですが、今年の夏は雨が少なかったので、里芋畑の真ん中に台を置き、その上にスプリンクラーを設置し、1日1時間くらい山からひいた水をかけていたそうです。
そうしたら、こんなにも大きくなったそうで、ビックリ!!

<おじいちゃんお手製のスプリンクラー置き>

茎の部分もとても太く、この下にどんな大きさの里芋ができているのか、興味津々です。
そして、どれだけ里芋の茎が太いのかということを伝えたくて写真を撮ってみました。

こんなに太くて、一人で抜けるのか不安なくらいです。
まるで物語の中にでてくる、大きな里芋みたいです。
収穫は9月のお彼岸の頃だそうなので、来月その頃にまた取材させていただくことになりました。
今から楽しみです。

背丈の大きな里芋。
茎も通常よりも太くて立派なので、里芋を収穫した後にこの葉や茎がどうなるのか気になりませんか?そこでおばあちゃんに聞いてみました。
里芋の茎はあまり食べないそうなのですが、収穫後に糸を使って皮を剥き、干して「芋のツル」として煮物に使ったりすることもあるそうです。
歯ごたえがいいので、巻物に使われたりもしたそうです。
今はわざわざ干して食べることは減っているのかもしれませんが、昔の人は何も無駄にしなかったのよね、とおばあちゃんが言っていました。
この茎もどんな味か試してみたいです。

これこそ自然の循環型農業?!実生の野菜。

おばあちゃんの家では残飯に米ぬかを入れて発酵させることで肥料をつくり、畑にまいています。
そのため、残飯の中にあった「優秀な種」が畑で芽を出すことがあります。
そういった実から生まれることを「実生(みしょう)」というそうですが、今年は、うり、しそ、なす、かぼちゃの4種類が実生として、つまり残飯の種から実がなったそうです。
おばあちゃんは笑いながら話します、「元は残飯」「タダだから元取ってるわよ」と。

写真は残飯から生まれたかぼちゃ。
大きすぎます。
「もう、大きいのが2個も取れたの♪」と嬉しそうに教えてくれました。
このかぼちゃの煮物を頂いたのですが、これがまたホクホクして美味しいのです。
植えなくても勝手に育ってしまう野菜たち。
これこそ自然の循環型農業なのでは??と思いました。

しかもこのかぼちゃ、味も美味しい!かぼちゃの煮物を頂いたのですが、ホクホクして美味しいのです。
おばあちゃんは煮物を作る際にには、火にかける前にだし汁(砂糖、塩、出しのもとなどを入れる)にかぼちゃを30分以上つけておくそうです。
味が良くしみるコツなのでしょうか。
今度煮物を作るときには時間に余裕をもって試してみたいと思います。

<かぼちゃの煮物とおなじみ手作りのきゅうりのQちゃん>

しかしながら、野菜たちは猿にも狙われているそうで、最近はまた猿が人間がいない隙を狙って畑の近くまで山から下りてくるようです。
この写真は昨年猿が食べたかぼちゃの跡。
外から食べていき、中の芯のところだけ残していった残骸です。
本当にきれいに食べますね。

今年取れた大きなかぼちゃも猿に狙われていたそうなのですが、ちょうど柵の中にかぼちゃがあったため、猿が運び持ち出せず断念したものだったそうです。
「大きくて持っていけなかったみたい。畑に茎がちぎれた状態で置いてあったの」とおばあちゃん。

度々、畑にやってくる猿。
つい先日も猿の鳴き声がしたと思ったら、畑のかぼちゃやハナモモを狙っていたようです。
これは猿がかじったハナモモの実。
木を揺らして、実を地面に落として食べるそうです。
桃のように甘さはほとんどなく、みずみずしさと少しのすっぱさのある実なのですが、こういったものも猿が狙っているんですね。

山の食べ物が減ってきたのか、最近良く現れるそうです。
山に近い生活は、鹿や猿が暮らす場所とも近い生活を意味します。

猿の鳴き声が聞こえたら、すぐに秘密兵器で威嚇をします。

これが秘密兵器です。これはなんでしょう?
先端にロケット花火をつけて音で威嚇をするんですね。
ロケット花火でこちらが威嚇をすると、猿も鳴き声をあげて威嚇をするそうです。
なかなか負けていませんね。

この秘密兵器は、ロケット花火を手で持つと危ないからと、おじいちゃんが工夫をして作ってくれたものだそうです。
「いろいろ作ってくれるのよ」とおばあちゃん。

しかもこの秘密兵器は子供が喜ぶそうで、親戚の子供が来るとやりたいとせがむそうです。
そのため、「沢山のロケット花火を買ってあるのよ♪」とストックを見せてくれました。
私もやりたくなりましたが、さすがに大人なので我慢しました。

みんなに人気の野菜で作ったジャム

おばあちゃんがおやつにと出してくれたヨーグルトの上には、小さなトマトで作ったトマトジャムが乗っていました。
このトマトは自生のトマトで、大きさは指の大きさほどの小ささなのですが、とても甘さがあります。
そんなトマトをおじいちゃんが沢山取ってきてくれたそうで、それならとおばあちゃんがジャムにしたそうです。
まるで、おじいちゃんとおばあちゃんは「あうん」の呼吸のように役割を分担しながら、そう、リレーのバトンを送っているように助け合って生きているようです。

【トマトジャムの作り方】

    分量

  • トマト 1キロ
  • 砂糖500g位(お好みで調整)
  1. トマトは沸騰したお湯に入れて殺菌する
  2. トマトをざるにあげて裏ごしする
  3. 裏ごししたトマトを鍋に入れ、砂糖を入れて煮詰める。

トマトジャムは甘みだけでなく、酸味もあって甘すぎない味!沢山手に入ったらやってみよう!

おばあちゃんの旬のおすそわけ

今月も頂いてしまいました。
おばあちゃんの旬のおすそわけ。
この季節沢山とれるキュウリ、ナス、トマト(アイコ)。
ナスは今年は沢山取れたそうで、かなりおすそ分けをされたそうです。
同じく沢山とれたキュウリはぬかづけにして漬物に、きゅうりのQちゃんにしてご飯のお供にと無駄のない生活です。

<一杯で生き返る生の赤紫蘇ジュース。香りがとってもいいんです>

おばあちゃんの8月のお花畑

最後になりましたが、8月のおばあちゃんのお花畑をご紹介します。
おばあちゃんのお花畑を毎月みるようになって、今まで以上にお花に興味が沸くようになりました。
そして、ただそこにお花があるわけではなく、雑草を丁寧に抜き、花が咲き終わったら花を摘み、沢山花が咲いたら鉢を植えかける・・・。
そんな風に愛情をもって手入れされたお庭にお花が咲いているから、より美しく見えるのだということに気づきました。
お花を引き立てるおばあちゃんの日々のお世話があるから、お花たちも喜んで咲いてくれるのではないでしょうか。

夏の花といえば向日葵         日日草(ピンクとうすピンクの2色)

千日紅         トレニア(秋スミレ)ベルベットのような触感

なでしこ          ムクゲ(紫と白)

こちらはオクラの花と、のどに良いと言われるカリン

編集後記

8月に入り、田んぼでは稲の花が咲き始めました。
稲の花は小さい白い花で、知らなければ花だと気づかないかもしれません。
稲刈りを来月に控えた田んぼでは稲穂がつき始め、トンボやバッタが増えてきました。
まだまだ台風も多い時期ですが、日本の多くの地域で無事お米が収穫できるように祈っています。