こんにちは。
くらそうねライターの豊田有希です。

富士山と生きるおばあちゃんの知恵では、山梨県巨摩郡身延町に住むおじいちゃん、おばあちゃんの暮らしの知恵を毎月紹介しています。

第32回の4月(卯月)。
4月中旬になり、約1ヶ月ぶりに訪れたおばあちゃんの家は、春爛漫!
山は新緑が眩しく、山桜が山をピンクに彩り、鳥がチュンチュン鳴く声が聴こえ…
まさに山が喜んでいるような、「山笑う」季節です。

春は山の恵みがいっぱい!

今年は雨が少なくてタケノコは裏年

春の山の恵みと言えば、まずはタケノコ。
おじいちゃんが午後からタケノコを掘るために私たちを待っていてくれました。

タケノコ掘りはおじいちゃん、おばあちゃんの連携プレーです。
午前中におばあちゃんが裏山を歩き、タケノコが地上に出ていないかを探します。
そして、見つけたところには竹の枝をさしておきます。
これがおじいちゃんへの「目印」となります。

そして午後になるとおじいちゃんの出番。
この目印を探してタケノコを掘っていきます。
私たちはそこに同行させてもらいました!

裏山に行ってみると、おじいちゃんがニヤリ。

見てごらん。土が盛り上がってるでしょ?(赤で囲んだ部分)

あ、ほんとだ!

この下にきっとタケノコがあるよ。こういうのが見せたかったんだよね~。

ここにタケノコが??

(掘ってみる)ほら、見えた。

わー!穂先が出てきた!でも、このタケノコはまだ小さいんじゃないですか?

そんなことはないよ。しかも、地上に穂先が顔を出していないタケノコは柔らかくて美味しいんだよ~。

そうなんだー!

さ、掘るよ。

ところが、タケノコが生えている場所が山の斜面で、しかも山からの水をひいているホースが近くに通っていることから、とっても掘りにくい場所!
掘っても、掘っても、なかなか地下茎(地下に張り巡らされているタケノコの根)にたどりつきません。
しかも、地面からは全く想像できないくらいの大きさなんです!

こんなに地中深く埋まっているんです!

タケノコは、一箇所だけ地下茎とつながっている部分を鎌で「ガツン」と切り落とさないと綺麗に収穫できません。
掘って、掘って、掘ること15分くらいでしょうか。
おじいちゃん、かなり体力を使って掘ってくれました。
この日一番の大物です!

この穂先が地中にあるとまだタケノコは黄色くて柔らかいんだよ。地上に出ると竹の緑色になってきて、だんだんと固くなっちゃうからね。

タケノコを見つけた時が、宝物発見!みたいで嬉しいんだよねぇ。

 

おじいちゃんは地中に少しだけ顔を出しているタケノコ(おばあちゃんが合図をつけてくれているもの)をせっせと掘っていきます。

私も「お宝、見つけたい!」と竹林の中を目をこらすと、、、なんとタケノコを2つ発見!
おじいちゃんの掘る作業を増やしてしまいました(;^ω^)

竹林の地中付近によ~く目をこらします。

あ、こんなところにいたー!という感じです。

すごいねぇ。気づかなかったよ。

あ、でもそんなにたくさん掘らなくてもいいのでは、、、

掘らないとせっかくの美味しいタケノコが固くなっちゃうから、掘ったほうがいいんだよ。ちょうど昨日掘ったところだから、今日はあんまり無いかねぇとおばあちゃんと話していたけど、結構あったね。

うちはタケノコを採ったらすぐ大鍋で湯がいて、親戚やお友達にクール便で送るんだよ。あく抜きをしたワラビを入れてね。

こちらがワラビ。あく抜き中です。

今年は裏年(あまり取れない年。表と裏が交互にやってくると言われている)と聞きましたが、どうですか?

やっぱり少ないねぇ。雨が降らなかったからだね。

途中、猿に穂先を食べられてしまったタケノコも発見。
緑の部分が食いちぎられているのがわかりますか?

猿は土を掘ることはできないから、土から出てる部分だけをこうしてかじるんだそうです。

結局この日は7本ものタケノコをお土産にもらいました!

今年はタケノコの収穫が少ない年ということで、隣町の道の駅でもとても高い値段がついているそうです。
スーパーで売っているタケノコも安いのはみんな中国産で、国産のタケノコってもともと結構高いんですよね。
隣町に住む親戚が「今年はタケノコがないねー」と言っていたので、おばあちゃんは湯がいたばかりのタケノコをその日に持って行ったそうです。

そんな貴重なタケノコなんですね!これはいくらか払わないと…(笑)

そうね〜いくらにしようかしら(笑)

なんて話をしながらタケノコ掘り後の休憩を楽しみました。

一通りタケノコトークで盛り上がった後、おじいちゃんが向かった先は、たらの芽の木が植えてある場所。

トゲトゲのついた枝の間からたらの芽が出ています。

たらの芽がこんな風にできるとは初めて知りました!
皆さんも、たらの芽ってふきのとうみたいに土から出てくるのかと思っていませんでした?意外ですよね~。

おじいちゃんは、持ち帰り用にとタケノコと“ヒノキの枝”も箱に入れてくれていました。

え、ヒノキですか?

昔は農協に持っていくカゴの中にもこうやってヒノキの枝を入れたもんだよ。枝をポキンと折ったらヒノキのいい香りがするんだよ。この辺りはヒノキもたくさん生えてるからねぇ。

タケノコとヒノキの枝が詰められた箱はとっても豪華な箱になりました!役得ですね(*^^*)

タケノコを丸ごと美味しく食べる!

この時期は、おじいちゃんとおばあちゃんの家ではタケノコが食卓にたくさんあがります。
皆さんはタケノコ料理といえば何がお好きですか?

天ぷら、タケノコご飯、煮物…新鮮ならではのおさしみなど、考えるだけで笑顔になりますね。

おばあちゃんのところでは、タケノコの柔らかい上の部分はおさしみや天ぷらに、中間部分は煮物に、下の一番固めの部分はタケノコステーキにして食べるそうです。
タケノコステーキ!なんだか急に高級料理の響きです。
タケノコを厚めに切り、油を引いて焼き目をつけ、シンプルに塩胡椒と醤油をかけて。

新鮮なタケノコは香りがすごくいいので、これだけでとっても美味しいそうですよ。

タケノコの煮物とワラビのおひたし。

頂いたタラの芽は天ぷらに、タケノコはおさしみにしてみました!

別名【復活草】と言われる岩松(イワヒバ)

おばあちゃんが、裏庭にお花が咲いたのよ~と教えてくれたので見に行ったら、なんだか石垣のところにモジョモジョしたものがびっしり。
…なんだこれ??

おばあちゃん、これは何ですか?

岩松(いわひば)っていうのよ。水が足りないと内側に丸まって茶色くなって、水が足りるとまた青々と広がるの。なんだか植物マニアに人気があるみたい。以前、分けて欲しいという人がいて、分けたことがあったわねえ。

苔のように全体を覆いつくし、岩の近くに自生するそうです。

水分が少ないと枯れたようになるけれど、雨が降るとまた開いて生き生きとするので、【復活草】と言われているそうですよ。
花言葉は『負けない心』『長寿』。
縁起がいですね!

マニアが欲しがるものだということで、珍しいので私も少し分けてもらいました。
盆栽にしてもいいそう。

4月のお花畑は芽吹き&開花ラッシュ!

おばあちゃんのお庭には、初めて目にするたくさんのお花が咲いていました。
季節ごとにいろんなお花が咲くので、本当に楽しいです。

これは、庭桜
春に咲くバラ科の桜だそうです。

高さは1メートルくらいで、昔から庭木として日本で植えられているようです。
もこもこして可愛いですよね。
花言葉は高尚、純潔などがあるようです。

 

こちらはクマガイソウ

日本の野生のランとしては一番大きいそうで、扇型の葉っぱ、花の一部が袋のような形をしていてとても個性的です。
自生のものは減っていて、なんと環境省の絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に分類されているようです。
こんな貴重なお花もおばあちゃんのお庭で見ることができるんです。
花言葉は、『見かけだおし』

 

こちらはエビネラン
まだ満開ではなく、もう少しで花が咲きそうですね。

湿気があるところを好むので、おばあちゃんは家の横の湿度が高いところに植え替えてあげているそうです。
花言葉は『謙虚』『謙虚な恋』『誠実』『にぎやかな人柄』『忠実』
おばあちゃんは、毎日お庭を歩きながら、芽吹いた芽や花を見つけて喜んでいるようです。
毎日話しかけているんでしょうね、きっと。

 

アセビとドウダンツツジ

馬が酔う木と書いて馬酔木(あせび)と読みます。
ドウダンツツジにいたっては、「満天星躑躅」です!!
全然読めませんよね。
アセビは木全体に毒性があり、馬がこの枝葉を食べたら酔ったようになったことからこの名前がついたそうです。
奈良公園などが有名で、古くは万葉集にも詠まれているそうですよ。

青木ヶ原の樹海にも生えているよとおじいちゃんが教えてくれたので、帰り道に見てみたら本当にたくさん生えていました。
おじいちゃんの家のアセビは50年前くらいに植えられたものだそうです。

編集後記

そろそろ帰ろうかな~と思った時に、おじいちゃんが「鹿のツノが田んぼの水路のところに落ちてたんだよ」と見せてくれました。
鹿のツノは約1年で生え変わるので、生え変わりの季節である春には古いツノがこうして落ちていることがあるんですね。

すかさず、写真を撮ろうとしたら・・・

なんともお茶目なおばあちゃんと、されるがままのおじいちゃん!(笑)

おじいちゃんとおばあちゃんは過疎が進む地で暮らしているので、気が付くと一週間くらい人と会話しないこともあるそうですが、そんな風に見えないとっても明るいお2人。

今日もこうして仲良くのんびり暮らしているお2人に、いつも癒しと元気をもらっている私でした。