こんにちは、はるです。
今回は換気について書いていきたいと思います。
換気について、と言っても、24時間換気を第一種にするか?第三種にするか?という話ではなくいわゆる「風通し」について。

風通しの良い家が欲しい

私が家づくりに求めた要素の1つに「風通し」があります。
もともとエアコンの冷気が苦手で、夏も自宅でエアコンは一切使わずに過ごすタイプなので、風通しの良し悪しは文字通り死活問題とも言えました。

我が家が家づくりをしている土地は、南と西に山が迫り北側には隣家が迫っていて、土地に余裕がなく日当たりも風通しもさほど期待できない場所でした。そのため「家の中に十分な風通し」を望むと建築側の工夫が必要になるので、計画当初から建築家に「風通しのいい家を!!」と希望して計画してもらっていました。

自然換気の種類

風通し、つまり自然換気には大きく分けて風力換気と重力(温度差)換気の2つがあります。

風力換気とは?

その名の通り「風のふくまま」、通風を利用した換気のことです。
風は基本的に気圧の高いところから低いところに向かって吹くので、一般的には「夏には南風、冬には北風」が吹きます。でも実際の方位は地域・場所によって風向きは異なるので、家を建てる土地の特性を良く観察したほうが良さそうです。

例えば我が家の土地の場合、夏の暑い時期には土地の奥側(西側)から道路側(東側)に向かって風が吹きます。おそらく、南と西の山肌に吹き返しがおきているのでしょう。このことを知っていたので、我が家では下図のように風上・風下に窓を取りました。

はるログ風向き

こんな感じ。実際、この東西の窓を開けると、急に温かくなった日曜日あたりから気持ちよく風が抜けるようになりました。しめしめ。

重力換気とは?

重力換気は温度差換気ともいい、「温かい空気は上昇する」という空気の浮力を利用した換気方法。
建物全体で重力換気を活用するためには吹き抜けが有効です。図示するとこのようになります。

はるログ重力換気

風力換気と重力換気を組み合わせる

通風換気は風が吹いてくれない(気圧差が生じない)ことにはどうしようもないので、家づくりの場合、風通しを考えるときは通風換気と重力換気の両方を組み合わせるのが一般的です。

はるログ重力換気

我が家の場合上の図のような経路で風が通り抜けてくれることを期待して、吹き抜けを設け、屋根も片流れになっているという仕組み。
風通しのみを追求するなら風が抜ける側の窓を高窓にした方が効果的ですが、そこは実用性と見た目との兼ね合いもあって掃き出し窓になりました。

風通しは夏を旨とすべし

『家のつくりやうは、夏を旨とすべし』といったのは吉田兼好ですが、住宅の省エネルギー化を考えた際には『冬を旨とすべし』が正解、というのは昨今よく聞く話。でも風通しに限っては、当然ながら『夏を旨とすべし』!

重力換気は空気の温度差を利用していますから建物の向きはあまり関係ありませんが、風力換気は窓の取り方が重要になります。「窓を開けると気持ちの良い風が吹くのが好き!」という方は、間取り決定前に風向きを観察してみると良いかもしません。