今回はリアルな現実を。
私見も入っていますが、全て本当に起こったことです。

|||移住に対する現実

移住ブームとまでは行かないかもしれませんが、だいぶ多くの方が移住に関して関心を持つようになりました。
同時に、人口減に苦しむ地方自治体は、移住を推進する施策を打ち出しています。
そして、その移住希望者のために、金融機関も住宅ローンの優遇制度を用意しています。
そう、追い風です。移住については、少なくともプラスのイメージや風が吹いています。
ところが、実際にこれを進めてみると…
まあ、見事に障害だらけ。そんなに甘くはありません。
少なくとも、ウチにとっては強烈な向かい風でした。
結局、家を建てるにはお金がいる。その多くは住宅ローン。
そのローンは、安定した収入が必要。
当時の収入は「東京で仕事をしている」収入。
長野に来たら安定した収入なくなりませんか?
じゃあ、不安定だから、ローン組めませんね。
……
え?
そんなこと言ってたら移住なんて出来ないよね。絶対に。
ウチは東京での収入、長野に来ても確保してるんだけど。
…物凄く乱暴に言うと、このよくわからない理由に最後まで苦しめられました。

|||金融機関の理屈

画像の確認事項をみていただければ一目瞭然。どこの金融機関に行っても、同じような内容を聞かれました。
もちろん、収入に関しては、移住後も全然問題無いように準備していましたので、この質問には堂々と回答!
可能な限りの根拠データも付けて。
でも、結局は東京での収入を維持出来ないという判断をされてしまう。
そうなると、収入も減ると思われて、ローンの満額回答が来ない。
ある信用金庫。
思い出すだけで腹が立ちますが、頭金4割用意することが条件。しかも満額は出せない、と。
そりゃあいるかもしれませんが、普通に考えて4割も用意出来る人はほぼいないでしょう。
もう明らかに貸す気ないのが見え見え。
金融機関の理屈って、120%の確証が無いものは、ゼロと同じってことなのかも…
って本気で思いました。
画像の書類は、そういう不利な条件の人にも門戸を開いていると思われたフラット35。
これも落とされました。ウラでなんとなく理由を聞いてもらいましたが、
移住後の収入が不安定(の可能性がある)とのこと。
ちなみに、ウチは収入はちゃんと安定してますし、自営業者(会社経営)とは言っても、6期連続黒字。
借金は全くありませんし、頭金も2割用意しました。
無理な金額をローン申請したわけでもありません。貯蓄もあります。
今思い出しても、金融機関の理屈に踊らされた、かなり不毛な戦いだったと思います。
(いったい、どれだけの説明書類を作ったことか…)

|||住宅ローン審査の実態は本当にわからない

金融機関との折衝は約3ヶ月に及びました。
はっきりと覚えていないのですが、たぶん5,6カ所とやり取りをしていたのではないかと。
さすがに非常に気分の悪い疲労感だけが残り、もうやる気がほぼ消え失せていました。
そして3月になり、当初対象外だと思っていた「ろうきん」に書類提出。
(ウチは経営者なので、労働者対象の金融機関は利用資格がないと思っていました)
「これでダメなら一旦休んで来年仕切り直そう」と妻と決めていたのですが、
これまでとは違い、話がどんどんスムーズに進んで行き…仮審査の段階で、まさかの満額回答。
本審査も拍子抜けするくらいにすんなり通過。
無事、住宅ローン審査を通過することが出来ました。
もちろん、通過理由はわかりません。
はっきりしていることは、移住後の収入に関して信用してもらえたということでしょうか。
まあ、結局のところ「たまたま」だったのかもしれません。
審査項目の捉え方によって、どちらにでも転ぶということなんでしょう。
未だによくわかりません。

|||移住者の住宅ローン

あくまでもここで書いたことは、私が経験したことです。
全ての移住者にあてはまるということではないと思います。
ただ、仮に私が東京で住宅ローン申請をしていたら、将来の収入を信用されないということは無かったはず。
少なくとも、移住者の住宅ローンに関して、想定外のハンディがあったことは事実だと解釈しています。