2016年7月末に考えました:
「日本初の全館床冷暖房・一条工務店のさらぽかで家を建てるにあたり、さらぽかでも「網戸は必要なのだろうか」。
一条オーナーで有名なサスケさんは、網戸を付けて正解だったと書いておられます。
理由は:「そんな快適な春の陽気の中、一条工務店の高断熱高気密の家の中は、、、、真夏とまではいきませんが、エアコンを付けないと暑くて寝にくい程度に暑くなります。」とおっしゃっています。その通りだと思います。
では、さらぽかの家では、春先の室内環境はどうなるのでしょうか。iSmartのこれまでの全館床暖房の場合でも、冬から春への切り替えの時期には暑くなりすぎるために網戸を付けて外気をとり込んだり、エアコンを早めに使い始めて適温を保ったりとの工夫が必要だったのでしょう。
せっかくの全館床暖房+高断熱・高気密住宅なのに、かえってそれがために、一般住宅ではエアコンを使っていない快適な春の日にエアコンを使用する必要がある。もしくは一条ルールにより、高いオプションの網戸を取り付けなければならない!
8月3日に一条の設計士さんと営業さんとの第3回目の打ち合わせに臨みました
テーマは、間取りを中心の相談となりました
その中でも事前に問い合わせをしていたさらぽかについてですが、下記の説明がありました
* 全館床暖房(「ぽか」の方)については、すでに多くの方が使用環境・実績効果について書いておられますので、そちらを参照ください
* 一方の「さら」です。「さら」は、「ぽか」と対比して全館床冷房を意味すると思いがちなのですが、「さら」には一条の深慮遠謀が込められていました
しかしながら、命名は「さらぽか」です。ここに一条の新技術の真価が表現されているのでした!
② 「さら」から来る語感は何でしょうか。そうです、お肌サラサラの快適に湿度がコントロールされているということです
すなわち → 前 真之先生が「エコハウスのウソ 増補改訂版」で書いておられるように、「空気は怠け者」「湿度を制するものが日本の夏を制する」
との言葉を体現したシステムとなっています
* どういうことかと言うと「さら」は、全館床冷房+デシカント除湿+ヒートポンプ全館冷房の三つが複合的に効果的に組み合わさったものとなっています
「さら」により家全体の温度を少し下げることと、室内の湿度を快適なレベルで保つことにこの仕組みの真骨頂があります
* 「人体600万年史(上下巻):科学が明かす進化・健康・疾病」でも述べられているように、人類がこれほどまでに地球全体で繁栄している生物学的な理由には汗腺からの蒸発による体温のコントロールがあります
動物は、体全体を厚い毛で覆われていて、汗腺もありません。おまけに地面に対して横長な体の作りですから、太陽の直射をまともに受けます。(汗で体温を下げる動物は、人間の他には馬だけだそうです)
このため、動物はその身体的特徴によって、繁殖地域の制限があります。
これに対して人類は、体中に汗腺があり暑い時には汗腺からの水分の蒸発で体温を下げます。さらに立っている時には、直射日光を受けるのは頭頂と両肩の限られた面積です。
人類は、灼熱の赤道地帯から極寒のシベリアまでどこにでもいます。
(もちろん、衣服の発明も人類の繁栄に大きく寄与しています)
高温となる砂漠地帯でも人類が生きていけるのは、汗腺からの水分蒸発と日光にさらされる体表面が極小であることが理由です
ついでに申し上げると、乾燥した低温地域での対応をしていた民族は、チリ・アルゼンチンでスペインの侵略以前からの先住民のマプチェ族です。
南極に近いチリやアルゼンチンの南部地域は、年間を通じて気温が低く強風が吹き荒れるので、たとえ毛皮を着ていても生き延びることができない極寒の地です
それで当時のマプチェ族はどのような服装で、低体温を避けたかといえば、半裸の体全体に獣脂を塗り体温が奪われるのを防ぎました。
獣脂を塗っている体からは、水分の蒸発は最小限に保たれ体温の保持に役立ちます。逆に濡れた衣服で強風に当たると、著しく体温を奪います。
話があっちこっちに飛びましたが、一条の「さらぽか」は人類の生物学的構造から来る快適の追求に一歩踏み出した画期的な仕組みと言えるのではないでしょうか
(個人の感想です)