どうも私です。

 

前回に引き続き建物の外見についてお話します。

今回は特に外見に大きな影響を与える”外壁材”の選択について注目します。

 

2×4、在来、RCなど基礎構造が決まって、間取りなどが決まったら、まず最初に施主に与えられる楽しくも悩ましい項目である外壁材の選択があります。

素材や色など様々なものがあり、家づくりの醍醐味の1つに挙げられます。

 

そこで、この記事では、我が家が選択の一部として扱った様々なものの素性や特性などを列挙して行きたいと思います!

(勿論値段感もね!)

外壁の選択でお悩みの方の参考に少しでもなれたら幸いです。

 

 

 

 

では始めて参りましょう。

 

 

 

 

1、「窯業系サイディング」

窯業系サイディングとは、セメント質と繊維質を主な原料にして、板状に形成したものです。モルタルに比べて工期が短く、柄や色などのバリエーションが豊富なことから、窯業系外壁材が主流になっています。現在では、新築戸建ての10棟に7棟の外壁材が窯業系サイディングです。

そもそもサイディングとはサイド+INGなので、この後登場する建物側面に貼るものすべてに該当しますが、現在ではサイディングといえばこの窯業系サイディングが該当します。そのくらい普及しています。

 

メリット:上記のように選び放題です。また後期が短く、その部分で工賃が安くなります。素材自体の価格は特にやすい感じはしませんでした。(バリエーションが豊富なのでピンキリですが)

デメリット:ものによっては材と材の継ぎ目にコーキングが必要で、目立つ。バリエーションが多いとはいえ、何かに”似せたもの”感が否めず、安っぽくなってしまう可能性がある。

 


 

2、「ガルバリウム鋼板」

金属系サイディングの代表格。通称ガルバ。アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板の名称。

最近ではこれを母材にして、断熱材を付加し、窯業系サイディングと見た目、機能を同じようにしたものもある。それらはガルバスパンと言われるもので、ここでは別物として扱う。

ここでのガルバは波状や角波状に折っただけの金属の板と定義する。
イメージでは、鉄板を貼って暑くならないの?と思うかもしれないが、基材がアルミニウム、かつ、その形状から自然に空気層ができるのでそのようなこともない。

 

メリット:屋根材に使われるだけあって耐候性、防食性、耐火が非常に高い。波状に折ったものは、自然に構造用合板との間に空間ができるため、通気層を確保しやすい。1、と比べるとだいぶ軽量。

デメリット:電食を避けるため鉄製の釘と接触しないようにしたり、コーキングの種類に気を使ったりと扱いがシビア。見た目にも工場のようになるようなバッドチョイスにもなりかねない。u薄いので固いものを当てると簡単に凹みが出来、修繕ができない(不可能ではない)

ものとしてはさほど高価ではないが、材料が大きいため工賃が高い。また、工事自体は大工ではなく板金屋が行うため、それも工賃が上がる要因。全て外からのビス留めのため、ビス頭が見えて並ぶ(好みによる)

 


 

 

3、「板壁」

木材の壁の総称。羽目板や木材系サイディングが該当する。(ログハウスは外壁という概念ではないので除く)

現代の家屋ではあまり見られないが、焼き杉の板など日本家屋では馴染みが深い。

板壁を売りにしたハウスメーカーなどもある。

実は外にも使えるの木材。全体を覆うのは現実的に難しいが、ワンポイントで組み合わせる住宅は増えている。

 

メリット:とても暖かみがある雰囲気になる。塗装などで色の変化は自由自在。材の選択の自由さもそれなりにある。幅や張り方の自由も効くので、モダン〜山小屋風まで雰囲気作りのセンスを反映しやすい。

デメリット:耐火基準を満たせない箇所への施工は不可。メンテナンス性も劣るので、定期的にメンテナンスできる施主向き。価格はメンテナンス性を考慮すると良いものになるため、高くなりがち。

 


 

 

4、「塗り壁」

板ものを貼るのではなく、下地処理をした後、いわゆる左官作業でペースト状の様々な物を塗りつけて仕上げる方法(塗装壁とは区別)。また吹き付け作業で行うものもある。

ジョリパッドなどの化学系のものから、土など自然素材のものがある。

 

メリット:砂や土であれば耐火性能が高く、素材自体が持つ通気性もある。左官によってオリジナルで様々な表情を作り出せる。円形など曲線が多く、役物や継ぎ目などが嫌で、シームレスな外壁にしたいならこれ以上に向いているものはない。

デメリット:乾燥待ちなど工程が長い。これも大工の仕事ではなく、左官屋の仕事になるため、その分工賃も上がる。仕上がりは職人の腕によるところが大きい。北側壁面や、地面の低い位置に施工すると、カビやコケなどが発生しやすい。

 


 

 

5、「タイル」

最近ではめっきり見かけないが、陶磁器はスペースシャトルの船体にも使われるくらい堅牢で耐候性、耐火性がある。割れる以外は劣化の要素なし。(目地は別)

手間と高価格によって、一般住宅の外壁にメインで使われることは少なくなったが、バリエーションの豊富さから室外のワンポイント、室内の火、水回りの装飾としては健在だ。

煉瓦造り風の家に憧れがあるなら代用品として一考である。

 

メリット:とにかく丈夫。いつでもピカピカ。お手入れ簡単。バリエーション、張り方共に豊富。

デメリット:全てをタイルにすると総重量がものすごいことになる。地震災害などで剥がれ落ちる可能性がある。これも大工の仕事ではないので工賃が乗ってくる。

 


 

 

6、「コールテン鋼」

これは番外編。個性的な外観を手に入れたいならこれ。密かなデザイン建材として人気がある。元々は橋桁などの構造に使われるもの。
サビに強い加工を施したただの鉄板。とはいえ表面はサビサビになります。

 

メリット:とにかく個性的。街で1番の建築になること間違いなし。

デメリット:重い。専用の構造が必要か。錆びてくると、退廃的なイメージが強くなるので景観に少し気を使うかも。勿論お高い(運送や施工コスト面で)。海沿いでは化学変化を起こし劣化が早くなるので使えない。

 


 

以上が我が家で検討した外壁材の候補たちです。

 

結果として我が家では2、の「ガルバリウム鋼板」を選択しました。

(アイキャッチ画像の物です。両脇の木部は造作ドアです。)

(メーカーや形状、色の選択については、リンクから過去記事をご覧いただけると幸いです。)

 

理由は、窯業系サイディングほどイミテーション感がなく、価格帯が低く、カビやコケなどメンテナンスの不要なもの。

それらを総合的に鑑みてガルバリウム鋼板となりました。

 

建築家が得意としていることも一つの要因でしたが、こちらからお願いしたのは上下の継ぎ目を出さないこと。

それを条件にガルバリウム鋼板を承認しました。

これは、信頼のある業者にしかできない施工だと思います。5メートル以上ある長さの板ものを貼ってもらうのは、運搬がめんどくさいでしょうし、搬入経路が見極められないと施工は不可能ですから。

 

価格的には、各所に頑張ってもらい、窯業系サイディングよりすこし安くなりました。

 


 

いかがだったでしょうか。

外壁材が決まると、面積が大きい為、たちまち「家感」が出てきます。満足度に影響する為、ここが大きな分かれ道となります。

ですからここだけは絶対に妥協しないでください!

 

よろしくおねがいしまーす!

 

 

 

 

続く