去年の今頃、家を建てる事になりました。

少し春めいて、風が温んできた頃でした。

今現在は新居が完成しそこで生活もしているので、約1年の計画を駆け抜けた事となります。

 

なんだか長かった様で短い、不思議な体験でした。

 

その過程で思ったことなどを書いていこうかと思っています。

徐々に頭も整理されて来て、考えがまとまった事と、忘れてしまったこともあります。追加修正工事の真っ最中の事柄もあります笑

 

さて何から書こうかと思案していましたが、大前提として私のポリシーを書いておくべきだろうと思いました。

他の方の記事とは相いれず、批判的な言い回しと捕らえられてしまうかもしれませんが、そこは十人十色の「家づくり」、そういう考えもあるのかと思ってご容赦いただきたいです。

 

 

(画像は我が家とは無関係です)

 

まず最初に、家に対しての思いから書こうと思います。(実際になぜ建てる様になったのかの経緯はまた後日書きます)

私の考える家の象徴は、ドラマ「北の国から」の中に出てくる、五郎さんが自分で(時に周りに手伝ってもらいながら)建てたあの家です。

木、石、廃材を使って時間を掛けて建てたアレです。

実際には業者が建ててるんでしょうが笑

 

まあそんな頭の中だったもので、どうも住宅地にある似た様な見た目の家々に心惹かれることはありませんでした。

それは今も変わっていません。

私(30代半ば)は1980年代に生まれ、1990年代に青春を過ごし、2000年代、2010年代に社会を知った人間です。

ということは、ざっくりと日本経済のピークと衰退を見たという事になります。

 

住宅も、とにかく早くたくさん作る様な高度経済成長期のものから、豪華絢爛なバブル期のもの、その後のリノベーションの潮流ものまで様々見て来たと思います。

 

また、私は20代前半に建築業界で働いていた経験があり、その時感じたのは、建築業界の緩やかな衰退でした。中小企業の場合、リノベーションやリフォームが主体となりつつあり、安く建売をバンバン請け負う様な、想像力のない建築屋は潰れて行きました。

 

 

それらを総合して考えると、五郎さんの家に憧れ、先述の似た様な家々に心惹かれない理由がなんとなく見えて来ます。

 

車や家電の様にカタログから商品を選んで購入するのではなくて、建築に少しでも自分が関わって、他にない自分らしい家を建てて、それを永く使いたい。願わくば手を加えながら時間とともに様相が変わっていく家が良い。

 

大手住宅メーカーは、性能は謳いつつも、今だにカタログから選ぶ様な似たり寄ったりの戸建てを量産しています。

おそらくそのやり方で安心するのは私よりひとまわり以上上の世代の方達でしょう。私より下の世代は戸建てへの憧れはほぼ無いし、楽しみながらお金をかけずにリノベーションする流れです。

 

私からしたら大手メーカーの建築は、システムも造形も古臭くて、ダサくて、建築業界の行く末が心配でならないのです。

 

もっと言えば、美術大学出身の私からすればそれらは全く美しくない(美しさの定義はここでは書きませんが)

建築は、

文化であり、

環境であり、

造形物です。

とても芸術的な側面を持っています。

 

その時ごとに人や物が絶えず出たり入ったりしながら文化を形成する基地となり、自然環境に応じた形態を取りつつ、街の美観も左右するほど大きな造形物です。

 

 

それが、建築メーカーが量産する単なる商品としての消費物であってはならない。それが私の「家」に対しての思いです。

 

 

もしあなたが、これから家を建てようとする時(特に若い人)

長々とされるオプションと金の話ばかりの住宅展示場になど行かなくていいから、その時間を使ってまずは美術館や図書館に行くべきです。建築の歴史を全て学べます。有名建築家の考えに触れることができます。

あなたの「家」に対する知識力や想像力は、あなたの建てたその家にそのまま現れます。

恐ろしいでしょう?恥ずかしいでしょう?笑

 

どうでしょうか。家づくりには膨大な時間と労力がかかります。面倒くさくなって、カタログから選んじゃうってのもわかります。でも私は一生住むであろう家に対して真剣に向き合ってみたかった。それによって自分も少しは成長できるかもと思いました。

 

難しいことを長々書きましたが次回は、

実際に家を建てようと思った経緯、

どうやって建ててくれる業者を探したか、

土地の選択、

 

などを書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

 

 

続く