第19回は建築工事関係を振り返ってみます。

できるだけ写真を多くして工事イメージをお伝えできればと思います。

解体

我が家は建て替えなので、既存建物の解体から始まります。解体はハウスメーカー経由専門業者で行いました。坂の途中で道路から2mくらい高くなっていて、建物敷地に重機が入らないため、道路側から解体してだんだん建物敷地内へ。鉄骨の家を解体するのは大変なようで、最初は手ばらししながら、小さなユンボで時間をかけて解体。解体には1ヶ月もかかりました。費用も通常の1.5倍近い250万円かかってしまいました。それにしても築24年の積水ハウス(軽量鉄骨)は解体してみると意外ときれい。しっかりした構造でした。思い出のある家の解体はちょっと寂しい光景でした。

敷地調査

解体後、スウェーデン式と呼ばれる方法で地盤強度の追加測定。解体前に既存建物の周りは測定してあったのですが、建物下は解体後というわけです。測定結果は家の周りと同じで整地盛り土の1~2m下はしっかりした地盤とのこと。(写真省略)

地鎮祭

地鎮祭を行わない家もあるようですが、神主さんを呼んで行いました。段取りは住友林業で全て行ってくれます。神主さんへの謝礼だけ用意。30分で地鎮祭は終わり、その後、綱の張った建築予定位置を確認。よく言われるようにすごく狭く見えます。

鋼管杭

いよいよ新築工事開始。当初の予定では道路側だけ深基礎にする地盤補強のはずが、追加地盤調査で同じ結果にもかかわらず方針変更に。長さ4mの鋼管杭54本打つことになりました。総タイル張りの外壁のため重いので基礎をしっかりやっておきたいとのこと。深基礎と鋼管杭の金額差は追加+90万円超。地盤強化だけで240万かかってしまいました。この時点で解体費250万円と鋼管杭240万円で予算超え。ベタ基礎なのに54本も本当に必要?って何度も聞いたんですけど、安心のためですと。この言葉には弱い!

基礎工事

整地の後、やっと基礎工事。鉄筋組立を行い、コンクリートを流し込みます。住友林業はベタ基礎ですが、構造計算の結果で鉄筋はシングル部分とダブル部分が決まるそうです。コンクリート打ち時にちょうど雨が多い時期で養生が心配でしたが無事終了。ベタ基礎の後、立基礎造り。

そして、基礎の上に土台敷。立基礎のない所は鋼製束(床づか)。

間に発泡スチロールを敷いて断熱性向上。

本工事

ここから本格的大工作業。1階から柱組立作業をして、数日後の建方は一気に2階柱組みと屋根下地まで上棟。この建方2日間は応援の大工さんも含めて8名で行いました。営業の話では最近は上棟式(建前)の儀式をするお宅としないお宅が半々とのこと。我が家はお祓い儀式も餅まきもしませんでした。ただ、大工さんには飲み物、お菓子などの差し入れをたっぷり行いました。地域によっては謝礼金を渡したり、昼食をふるまうところもあるようです。

その後、梁補強など

サッシ窓、外壁下地作業、屋根、設備工事(システムバス、電気、水道等)と進んでいきます。

ちなみに、住友林業の大工さんはその地域の工務店ですが、専属のようです。昔のように短い期間でたくさん建てた方が稼げる出来高制の報酬ではなく、社員のように給料制だそうで、住友林業の決められた手順と指定の釘や部材で時間をかけて確実に仕事をこなしていました。

大工さん(棟梁)は基本ひとりで、責任をもって行っていますが、ときどき応援でふたりで行っていました。工程が進むと専門の左官屋さん、電気屋さん、水道配管屋さん、設備機器メーカー、クレーン運転手、機材搬送業者などが入れ代わり作業していました。

内部工事(天井壁や壁紙等の下地作り)は結構時間がかかりました。白い壁は耐力壁です。天井にムクリ(中央が垂れないように持ち上げている)もつけると大工さんは言っていました。

現場を見に行くと熱中症注意のポスターが貼ってあったり、窓枠に物を置かないような表示があったり、また、ゴミの分別もしっかりされていました。しっかり管理されているようで安心できます。

余談ですが、住友林業の壁角はコーナーRにしているため、専用のR角部材を使っています。下の写真で白く見えるのが、そのRコーナー部材。

クロスを貼った仕上がりはこんな感じで高級感があります。住友林業の経営者が海外のホテルで見かけ、採用したようです。

外壁タイルは専門業者が貼っていました。

造作工事(フローリング、ウッドタイル、等)も丁寧に。無垢の床材は乾湿での木材の伸縮を加味して、隙間を作りながら貼っていきます。写真はエクセレントチーク。

最後に内装(天井や壁のクロス貼り)、設備機器取付(トイレ器具や照明設備等)、そして塗装床にはワックスがけ、クリーニング、カーテン設置、家具設置となります。

引っ越し仮住まいがすぐ近くだったので、頻繁に工事の進捗を見に行っていました。「大工さんへの差し入れや謝礼はいらない」と設計や営業に言われていましたが、見に行くときはお茶や珈琲は持っていきました。大工さんと話をする時は労はねぎらいますが、ちょっとした不具合を見つけた時などは直接大工さんに言わないで、住友林業の生産担当(常にいるわけではないですが)に写真付きメール等で指摘しました。例えば、階段下収納の奥行が図面よりかなり浅かったりした時。

次に

着工合意後の変更

通常、着工合意契約後、その合意内容で建築作業に進むのですが、我が家の場合、実際の工事が始まってからの小変更が多くありました。ほとんどが生産者さんからの提案での変更ですが、微調整を含め改善につながり感謝感謝です。住友林業の場合、結構生産者さんが現場レベルで変更提案してくれるようです。間取りとかの大きな変更ではなく、大工工事のちょっとした寸法変更などです。中には梁のため照明位置変更せざるを得ない時も含まれます。以下にまとめてみました。

1.洗面所の窓位置変更
設計では洗濯機位置(風呂場側)の上に窓があったのですが、生産者さんから「洗濯機は厚みもあって開け閉めしずらいので、洗面台側に500mm位ずらしたらどうですか?と。その影響で外のエコキュート位置も500mm同じ方向に移動。ちょうど基礎をやっているときだったので、エコキュートタンクの土台も500mmずらしてくれました。

2.2F寝室の窓幅変更
これも生産者さんからの提案で、室内から見て左だけ壁いっぱいだった窓を横引きカーテン分150mm幅を小さくした窓の方が、カーテンのおさまりがきれいになるとのこと。外から見ると窓位置が壁ギリギリではなくなりますが、室内優先で。(写真は完成後外から見たところ)

3.押入れの上段棚の奥行変更
これも生産者さんからの提案で、上段の棚を中段と同じ奥行の棚に変更してもらいました。昔の和室のような押入れだと上段に荷物を入れ易いように浅くしていますが、扉が天井高なので棚が浅い理由がないとのこと。棚が大きくなりました。

4.キッチンと洗面所を繋ぐ扉位置移動
冷蔵庫の干渉解除のため、キッチンから洗面所に行く扉の位置をパントリー側に50mm移動してくれました。

5.リビング飾り棚変更
これも生産者さんから。パントリーも一緒ですが、450mmの垂れ壁を無くしました。
室内ドアが天井高なので垂れ壁にする理由がないとのこと。なので30mm厚の塗装棚は1段増やして4段に。高さと間隔はこちらで指定。

6.LDKダウンライト位置微調整
LDKの照明位置を現場確認しながら微調整程度変更しました。具体的にはフラットシーリングのダウンライト位置、ダイニングテーブルのペンダントライト位置、ウッドタイルのダウンライト位置などです。(写真はウッドタイル上)

7.玄関飾り棚周辺の変更
リビングへの扉と枠が大きく、設計のようなタイルが貼れなくなり変更。並びに飾り棚の奥行を少し浅くして、扉との干渉を解消など。以前記事の玄関タイルで紹介済み。

8.壁かけ照明位置確認
1Fリビング、2F寝室の照明位置とバランスを現場で確認しながら微調整。(写真はリビング壁かけ)

9.オーディオルーム天井勾配変更、照明位置変更
梁との干渉で天井勾配の高さを若干変更。またエアコンを避けるためダウンライトの位置を室内側に移動。

10.玄関ポーチ西側に1段追加
通常は一方向だけ階段になっていますが、2方向に降りられるようにしてくれました。

11.1Fトイレ手洗い台横に飾り棚追加
トイレは1m幅に拡張しているため、910mm幅仕様の洗面台を設置すると約90mmの隙間ができてしまいます。空間が空いていても利用価値がないし、見た目にかっこ悪いので、隙間にはフカシを入れてもらい、そこに1輪挿しの花でも置けるような簡単な小さな棚も作ってもらいました。私がポンチ絵を描いて作ってもらいました。窓下との干渉を避けるため、高さは少し低くして。

その他として、項目のみ・・・・・
12.ジョイントボックス、外部電源位置変更
13.2Fトイレ内の収納棚追加と壁フカシ
14.パントリーの垂れ壁無くして棚数を4段から6段に変更
15.洗面所タオルかけ位置変更
16.1Fトイレ天井に点検口追加(これは生産者からの要望)
17.雨水排水溝位置変更
18.WICのにアクセントクロス追加
19.バルコニーなど3ケ所ホスクリーンの位置微調整
20.オーディオルーム背面の造り付け家具の天板幅変更とフカシ変更
21.縦雨どいの位置変更
22.バルコニー軒天の合わせ位置変更
23.玄関下駄箱高さをタイルに合わせ微調整
24.オーディオルームウッドタイル横に補強部材追加
25.スイッチ、コンセント類の位置変更
など細かいところも含め、かなり変更。
ちなみに積水ハウスの営業の話では積水ハウスは元々鉄骨プレハブメーカーなので木質系シャーウッドとはいえ、図面からの変更はほとんどしないようです。住友林業の場合、変更分は生産者さんが追加料金を決めるようです。今回の我が家の変更は無料になりました。むしろ玄関タイルの変更分戻ってきました。単純に追加工事を頼めば増額もあると思います。

最後にエクステリア関係をちょっと。

外構工事

我が家の外構は住友緑化ではなく、近くのエクステリア屋さんに依頼しました。相見積もりを取ったら金額差が大きかったことと町のエクステリア業者でも3D-CADやCGを使っていて変更も容易でした。工事は主に駐車場土台、外階段変更、玄関へのアプローチ、フェンス工事、郵便受けや名札、インターフォン設置、建物外周の砂利敷、ウッドデッキ、植栽などです。金額は約200万円。

ウッドデッキはこんな感じ。

長くなってしまいました。

次回は完成後のお話。「住んでみての実感、良かったことや失敗したこと」について書きたいと思います。