営業さんを信じて、住友林業との契約に踏み切った私たち。
打ち合わせをしながらも、予算オーバーしてしまった見積書を見てため息をつく私に、ある日設計さんが言いました。
『ベランダを無くしてみられるというのはどうでしょうか』
ベランダ。
二階建て以上の家には、当然のようにあるものだと思っていましたし、自分の実家も含め、無い家というのを、それまでに私は見たことがありませんでした。
家づくり情報サイトを読み漁るようになった現在では、『ベランダの無い家』は特に珍しいものではないと分かるのですが、当時は突拍子もない案のように思えました。
『ベランダは、無くても大丈夫なものでしょうか?』
という私の問いに、設計さんはこう答えました。
『この家に関しては、無くても問題ないと思います。
水回りは一階で、タイルテラスもありますし、洗濯物はそこで干していただければ大丈夫かと思います。
お布団を毎日外に干したいという希望があれば別ですが』
たしかに。
自分の生活を振り返ってみたところ、マンションのベランダに、布団を干す頻度は、二週間に一度程度のものでした。
マンションのベランダが狭くて、布団を干しづらかったことと、隣室の方が喫煙者でベランダで喫煙していたため、その匂いがつくのが嫌ということもあり、室内干しと布団乾燥機、そして布団用の掃除機で対応していました。
特にベランダでバーベキューをしたいなどという夢もありません。
ベランダ、無くてもいけるのかもしれない…。
ベランダには、大きく分けて、①建物本体付属のベランダと、②建物に後付するタイプのアルミバルコニーの、二つの種類があります。
後付できるタイプのものの方が、初期費用は安いという説明を受けました。
私たちがいただいたお見積もりでは、芯芯で910mm×3640mm(間取り図にして4グリッドサイズ)のベランダで、①の場合は約80万円、②の場合は約30万円のお見積もりでした。
契約時のお見積もりでは、建物付属のベランダでお見積もりが入っていたため、これを削除すると、80万円もの節約になります。
おまけに、雨漏りやメンテナンスコストについても、今後心配することはありません。
そして、当時住んでいたマンションのベランダと、図面のベランダを比較したとき、あることに気づきました。
ということ。
これはあとから知ったことなのですが、日本の住宅では、屋上をベランダにしたり、二階の一部をベランダにするという形の間取りではない限り、奥行きは750~900mm程度になってしまうとのことです。
現在でも、狭くて使い勝手が悪く、あまり使用していなかったベランダ。
これよりさらに狭いベランダを、80万払ってまでつける必要は無いという結論に達しました。
後からどうしても付けたくなったら、後付バルコニーという選択もあるので、決断できました。
ベランダの無い生活
ベランダを無くした、現在の生活。
取り立てて不便なことはありません。
洗濯物は一階で全て済ませられるし、布団も、晴れた日に窓を開けた状態で室内布団干しに干すと、外に干したみたいにふかふかでいいにおいがします。
このままいくと、後付バルコニーを検討する日は来ないかと思います。
コスト削減を考えている方は、思い切ってベランダを無くしてみるという方法もいいかもしれません。