皆様こんにちは。

 

間取りの打ち合わせが落ち着いた頃に無印の担当さんから

「長期優良住宅の申請をどうしますか?」と聞かれました。

 

今回は、長期優良住宅は申請をした方が得なのか、損なのか

実際に計算して検証してみました。

 

自身のサイトでは、我が家のリアルな金額で計算しましたが

こちらでは、30代サラリーマンの平均年収を使って計算していきます。

 

 

 

長期優良住宅

長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅です。

項目としてあるものは、劣化対策・耐震性・維持管理/更新の容易性・可変性・バリアフリー性・省エネルギー性・住居環境・住戸面積・維持保全計画などです。

住まいを長期優良住宅にした場合に受けられる税金の優遇措置は多岐にわたっていて、住宅ローン控除・不動産取得税・登録免許税・固定資産税などがあります。

 

 

長期優良住宅は5年ごとに、

点検、補修、修繕、交換など行った 維持保全について記録を残す義務が発生します。

 

維持保全の義務は30年です。

30年を過ぎれば、売買や相続をする人へ、維持保全の義務が発生することはありません。

 

点検、補修、修繕、交換の程度ですが、水回りの故障程度は必ず修繕する必要は ほぼ無く、

雨漏りだったり、外壁が著しく破損して断熱効果が損なわれたり…。

 

一般住宅でも起こったら修繕するくらいの補修、修繕、交換のレベルです。

 

無印の場合は10年まで点検が無料です。

それ以降の点検は1回につき2万円ですが、必ずしも無印や業者に頼まなくても良いんです

 

チェック表に書いてある項目を

自分たちでチェックしたら、関係諸官庁から罰則を受けることはありません。

 

 

 

 

無印良品の家は、標準仕様で長期優良住宅です。

無印以外にも、ほとんどのハウスメーカーで建てる家は長期優良住宅の基準を満たしています。

 

長期優良住宅を、建てると さまざまな税金控除を受ける事が出来ます。

しかし、申請にはお金がかかってしまいます。

長期優良住宅の申請をするかは迷われる方が多いのでないでしょうか?

 

 

 

優遇される税金控除を計算してみる

 

住宅ローン減税個人住民税控除

登録免許税の軽減

不動産所得税の軽減

フラット35s金利引き下げ

 

借入金額3,500万 変動金利

住宅本体評価1,800万(付帯工事費は含まない)

年収440万 として計算します。

国税庁「民間給与実態統計調査」、30代前半男性の平均年収の438万円を参考にします。

 

 

 

固定資産税の軽減

一般住宅は固定資産税が1/2になる期間が3年

長期優良住宅は→5年に延長されます。(2年延長)

 

我が家が建つ地域の固定資産税は12万~14万

12万~14万×1/2=6~7万(4年目5年目)

2年間で12万~14万がプラスになります。

 

 

 

住宅ローン減税

10年間受けられる減税です。

年末調整時に控除してくれるというものです。

 

長期優良住宅は限度額が4,000万が→5,000万に引き上げられます。控除率1%最大控除500万が受けられます。

計算方法は住宅ローン控除のシミュレーションを参考にしています。

 

まず所得税の計算

①給料所得控除

年収360~660万の場合...

440万-(440万×20%+54万)=298万

 

②社会保険控除

保険率は15%とする...

298-(298万×15%)=253.3万

 

③課税総所得税金額

195~330万の場合の税率は10% →控除額9.75万

253.3万×10%-9.75万=15.58万円

 

初年度住宅ローン控除所額は【3,500万円×1%=45万円】ではありますが、

そもそもの所得税額が15.58万円のため、住宅ローン控除の上限もその額となります。

 

年収800万だった場合...所得税は59.25万>45万なので上限45万円までの控除を受けることができます。

 

住宅ローン減税を10年間で約150万受けられるが

年収が440万なので、長期優良住宅の恩恵は無い。

 

 

 

個人住民税控除

住宅ローン控除額のうち所得税から控除できなかった部分を住民税から控除します。

住民税からの控除 上限額13.65万/年

 

長期優良住宅で無くても引かれます。

 

 

 

不動産所得税の軽減

計算方法は不動産取得税の減税シミュレーションを参考にしています。

一般住宅1,200万円控除 長期優良住宅1,300万円控除

 

住宅評価額:1800万(付帯価格は含まない家本体の価格)×70%くらい=1,295万

土地評価額:1250万×60%くらい=750万

住宅1295万-1300万×3%=(計算がマイナスになるため)0円

土地750万-1300万×3%=(計算がマイナスになるため)0円

 

一般住宅自体がすでに1,200万円控除と優遇されており、

長期優良住宅の認定を受けることによる優遇は無い。

 

付帯価格は含まない家本体の価格が1,900万以上の場合、長期優良住宅の恩恵がある。

 

 

 

登録免許税の軽減

計算方法は登録免許税の計算を参考にしています。

 

一般住宅税率0.15%  長期優良住宅税率0.1%

登録免許税=固定資産税評価額×税率

 

一般1295万×0.0015=19,425円

優良1295万×0.001=12,950円

差額...19,425円-12,950円=6,475円

長期優良住宅のほうが6,475円お得。

 

 

 

フラット35s金利引き下げ

フラット35sで借りないので恩恵無し。

 

 

 

 

まとめ

 

長期優良住宅の申請に16万円かかります。

プラス要素は、固定資産税の12万~14万円と、登録免許税の6475円でした。

差し引くと-1万3525円のマイナスです。

 

 

結論!

借入金額3,500万 変動金利

住宅本体評価1,800万(付帯工事費は含まない)

年収440万

上記の世帯の場合、

長期優良住宅の申請をすると、得をする訳ではありませんでした。

 

 

長期優良住宅の恩恵をフルに活用できるのは、

年収800万以上で、借入額が5000万以上の条件の方ではないでしょうか。

 

ただ、これは目先の得がないという事で、

長期優良住宅の申請で住宅の30年後の価値は守られます。

(通常住宅の価値は10年で0円になります。)

 

これをどう受け取るかですね。

 

「税制が優遇されるから、長期優良住宅の申請をしよう(^ω^)b」

と思っている方にとっては、申請費用とトントンと思った方がいいかもしれません。

 

ちなみに、無印で家を建てられる方々は申請する方が圧倒的に多いみたいです。

 

我が家も1万ちょっとで申請できるなら、しようかな…くらいに考えています。

 

 

 

計算ばかりでつまらない記事でしたが、

長期優良住宅の申請のふんわりした部分をはっきりさせる事が出来たと思います(´・ω・`;)

 

長期優良住宅の申請をするか、しないか迷われたときに

参考にしてみて下さい。