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リフォームトラブル第1位の外壁・・・業者が叫んで伝えたい「悪徳業者に気をつける方法」とは

こんにちは。編集長の北村です。
突然ですが、皆さんは、訪問販売などで営業の口車に乗ってしまったり、勢いに押されて契約を交わしてしまった…という話を聞いたことがありますか?
というのも、今回こちらで取り上げたい話題が「外壁工事に伴うトラブル」についてのお話なんです。

実は以前「キラリ職人技」の取材で、高浜市にある『株式会社夏目建装』さんで、外壁塗装の基礎知識と職人の技について伺ったのですが、その時「巷にはびこる悪徳業者の存在」についても話題が出てきました。

公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターCHORD REPORT 2016によると、「新築等住宅に関する相談」は18,786件のうち、「リフォームに関する相談」は9,852件(前年度比6%増)と年々増えていっているそうです。

中でもトラブルの紛争処理の争点は、戸建て、集合住宅ともにトップは「ひび割れ(外壁、基礎)」という結果がでていました。

外壁工事のスゴ技でご登場いただいた夏目建装さんは、こうしたトラブルの原因となる悪徳業者のずさんな工事の被害にあったお客様をたくさん見てたそうです。

前回に引き続き、お話をしてくださったのは、代表取締役の夏目守道さん。

そして、営業主任の斉藤芳暢さんです。

このような悪徳業者から消費者を守るため、夏目建装さんでは、この夏からチラシを配布するなどして、悪徳業者撲滅のための運動を始めたそうです。

そんな悪徳業者の手口とは? 
騙されやすい人は?
騙されないためにはどんなことに注意して、どんな業者を選べばいいの?

業者の実態に迫り、騙されないためのノウハウを教えていただきました。
これから中古物件を買ったり、リフォームを考えている方の参考になるのではないかと思います。

ずさんな施工、しっかりした施工の違いは何か

ずさんな工事とはどんなものなのですか?

外壁工事では、色あせやひび割れを美しく直すのはもちろん、コーキングと呼ばれる部分の補修が重要になります。
コーキングとはゴムでできた継ぎ目のことで、経年劣化により痩せてきたり、ひび割れを起こすのですが、悪徳業者で多いのは、このコーキングを無視して一色で塗ってしまうんです。

お客さんから見たら、見た目がきれいになっているので気づかないんですが、数年後には目地がバリバリになる。再度やりかえが必要になることをわかって、作業をするから悪質なんですよ。

コーキングを直さない場合と、気づかないうちに内部まで水が染み、雨漏りにつながります。
最悪の場合は断熱材まで入れ替えることになり、500万円かかったという話も聞いたことがありますね。

コーキングにはカバーがついている場合があり、通常はカバーの下も確認するのですが、悪徳業者はその確認をしないことが多い
下地や継ぎ目、コーキング、屋根、家じゅうをしっかり点検したうえで工事の提案ができるのが、優良な業者だと言えます。

夏目建装さんでは、依頼時にはお宅をしっかりと回り、外壁が白く浮いていないか(チョーキング現象)、ひび割れがないかなどを細かく見ながら、コーキングの状態や、コーキングにカバーが付いている場合はカバーの下の状態も確認しています。

点検先でひどい工事を見た場合には、その旨をお伝えするのですが「実は最近直したばかりなんです」と返される方が多い。
しかも驚くような安い金額というケースが多いので、「安かろう、悪かろう」の工事です。

だいたい悪徳業者は他県からやって来る事が多い。
その後不具合があって電話しても、すでに逃げてしまっていたり、計画的に倒産している場合も。
電話することはあっても、ほとんどの人は会社の所在まで確かめには行きませんから・・・。

分譲地・建売住宅も狙われやすいですね。同じ時期に建てば傷む時期も同じになるので、業者が目をつけてローラー式に各お宅を回っていくそうです。
かつて業界にいた経験者が回ることがあったり、塗り替えをメインにしている職人もいますね。

またお二人によれば、一般的に外壁工事のシステムが「営業」と「職人」に分業されていることも、悪徳業者を助長させる原因になっているそう。

不具合があると言うと「工事内容のまま施工しました」と返されることもあるんです。
確かに営業マンは契約を取るのが仕事で、職人はその依頼で工事するのが仕事。
でも工事の内容を説明しないのは不親切だと思います。

営業マンが家の状況や工事の内容をきちんと説明し、それが業界全体の常識になれば、こういったトラブルは減るのではないかと思いますね。
確かに家に関することは知識も少ないため、こちらに確認する力がなく、言われるままに契約してしまうことも多い気がします。

悪徳業者にひっかかりやすい人はどんな人?

建築の知識が男性のほうがありそうです。
すると女性のほうが騙されやすそうなイメージがあるんですが・・・。

そうですね。
お昼間に在宅されている女性、そして特に一人暮らしのお年寄りには注意が必要ですよ!

「草を抜きましょうか」「蜂の巣があるから取っておきますよ」などの声で信用を勝ち取り、時間をかけて契約に持ち込むこともあります。

巧みな話術で契約に持ち込む悪徳業者。
雑な工事であれば数年後塗り替えが必要になり、また足場代もかかってしまいます。

では、騙されないためにはどんなことをチェックしたらよいのでしょう。

見積金額が、40坪くらいのお宅で60万円を切ったら要注意

悪徳業者を見分けられるようなコツはあるんでしょうか?

発注する前に見積りを取って、金額と内容を確認してください。

特に金額はひとつの目安になりますね。
40坪くらいのお宅で60万円を切るようだと危ないと思います。
最近巷で見るような「50万円で外壁工事をやります!」というような業者は注意。
しっかりした工事を行っているなら、この金額で利益は出ません。
ちなみにうちですと、屋根の修繕あり、外壁塗装のパックの場合、79万8000円でご提案しています。

大手のハウスメーカーと工務店でも金額は異なりますね。
大手ハウスメーカーで家を建てた場合は、長持ちできる設計、定期点検、ブランドの「信用」を背負っているので高くなります。
ですから見積は高いのですが、アフターフォローがしっかりしているので、長い目で見ると安く済んだという場合もあります。
具体的にはハウスメーカーでの見積が200万だったら、工務店が半分くらい、それ以下なら疑った方がいいでしょうね。

反対に高すぎても注意が必要です。
中小規模の工務店で、40坪100万だと高いですね。

お二人によれば、見積ををチェックする時は金額と同時に工事内容を見る必要があるとのこと。
特に安い場合は入ってない工事があり、あとから上乗せされて驚くケースもあるそう。

まずは見積を取り、金額と内容をチェックしよう!

あと注意したいのは「補修」という文字ですね。
「工事」ではなく「補修」になっていたら、中まで見ずに、コーキングだと目地ごと塗る可能性があります。
逆に「打ち変え」「やりかえ」ならば、危険度は低いかもしれません。
工事費用が20万円くらいなら大丈夫かと思いますが。

相見積もりを取るのもおすすめですよ。
見積りは限界値で出すところと、高めに出すところがあるので、比べてみるのもいいですね。

ちなみに夏目建装さんの場合は価格で競り勝っても仕方ないと、競合を考えず最初から限界値で見積りを出すそうです。

他に、「諸経費」というのも細かく尋ねたほうがいいでしょう。
面倒くさがらずにちゃんと教えてくれるかどうかもチェックポイントになりますね。
そして契約した場合には、保証年数や保証制度も確認してください。

お客さんにも予算があるんですよね。
だから「塗るだけならこの値段、この工事が入るならこの値段になる」と、しっかり伝えなくてはいけません。

合言葉は「安い業者より、地域密着」

さて「安かろう、悪かろう」は理解できても、巧みな手口に不安が生まれてきますよね。

消費者側にも見積もりや工事内容を見極める力が必要だと思うのですが、もし「これならだいたい大丈夫」という基準があるなら教えてください。

地域密着型と明記しているところは安全性が高いと思います。
地域で事務所を構えているわけですから、いつでも責任を取る姿勢があるいうことです。
実際、点検をしてみても「いい仕事をしているな」と感じるところは、地域密着の業者が多いですね。

その他のチェックポイントも聞きました。
その業者の実績に注意してほしいとのこと。

実は騙された方に話を伺うと「大手ハウスメーカーの下請だから安心した」と言う方が多いんです。
下請けといっても、二次でも三次でも、ほんの少し関わっただけでも下請けと言えてしまいます。
うちも含め、ハウスメーカーの名前を背負って一次下請けとして頑張っている会社から見たら、本当に腹立たしいというか悲しいのですが・・・。

下請けと言っても、二次とか三次とか、さらに他にもいろんな言い回しがあるんです。
「こうやって名乗っていませんでしたか?」と訊くと「ああ!」と気づく人もいますしね。

契約後に良心的な業者が「騙されているかも」とアドバイスしてくれても、その時はすでに聞く耳を持たなくなっている場合も多く、そのまま工事が進んでしまうのだそうです。

手口や理屈を知ることも必要ですが、冷静に聞く耳を持つのは、外壁工事に限らず騙されないための重要なポイントです。
悪い人がいるという認識と、「本当にこの工事は大丈夫?」と疑う目線を持つことが重要。
そういう目線ができれば騙されにくくなると思いますよ。

消費者側にこういう考え方が浸透すれば、悪徳業者は必ず仕事がなくなります。
地域でも親子で長年塗装業をやってきた人は、年齢的なものもあって廃業していく人が多いんです。
だから他県からの悪徳な訪問販売が、浸透していってしまう。

しっかりと施工する業者は、見積もりは安くないかもしれません。
しかし工事内容の説明ができるし、数年でやり直しになるようなずさんな工事はしないはずです。

騙されないための5つのチェックポイント

最後に騙されないためのチェックポイントをまとめました。

  1. 契約を交わす前に必ず見積を取る
  2. 金額と内容を確認し、不明点は細かく訊ねる
  3. 会社の所在地をチェック、地域密着型業者を選ぶと良い
  4. 大手ハウスメーカーの下請けは詳細を確認
  5. 甘い話はない。冷静に疑ってかかること

私たちが携わった方や外壁工事の経験がある方はいいのですが、それ以外で出会いの場所というか、こういうことを伝える場所が必要だと思っていました。

とにかく訪問販売の営業力はすごいので、私たちと話して「もっと早く知り合えばよかった」と言われると、本当にもどかしいです。
うちはちゃんと説明して施工しますので、まずは自分のテリトリー内のお客さんにお伝えし、ゆくゆくは広められるよう活動していきたいです。

悪質な訪問販売に騙されないためには、消費者も賢くなる必要があり、常に疑ってかかるということも大切だということがよくわかりました。
しっかりと覚えておきたいです。

もし、皆さんの周りで外壁工事を考えている方がいらっしゃれば、大切な人が騙されないよう、この5つのチェック項目を伝えてみてください。

北村美桂

男性週刊誌のライターを経て、ポータルサイトなど約7年WEBメディア運営に関わり独立。WEBを中心に活動するライター。歴史旅ブログ「カツイエ.com」の運営者でもあり、参加者全員が新聞紙カブトをかぶる歴史イベント「名古屋歴史ナイト」も3ヶ月に1回開催中。リビング書斎とパクチーがたくさん育てられる家庭菜園がある家が理想。

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