とうとう夏休みに入りましたね。
夏休みといえば、子どもたちにとってはワクワクする時間ですが、親にとって気がかりなのは宿題や自由研究はちゃんとできているのか?ということ。
特に自由研究はそれなりに費やす時間や、研究成果がちゃんとしたものを求められるので何をすればいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。
そんな小学生の自由研究のネタを探している方におすすめしたいのが、「ガサガサ」です。
川で生き物を獲って、生物を調べて、まとめるのは立派な理科の自由研究。
それほど手間もコストも掛からず、川で遊ぶついでに宿題ができる一挙両得の題材です!
宿題や研究というとウンザリする子供も、自発的に「やりたい!」と言ってくれるはず。
普段触れることのない生物を知ることで、生き物や環境、情操教育にもつながり、深い学びも得られることでしょう。
今回はガサガサでの自由研究のやり方、まとめ方を小学校低学年向け、小学校5年生、6年生の高学年向けそれぞれにわけてご紹介します。
ガサガサの自由研究のやり方はシンプルで、川へ行って生物を採取、調査し、その結果を模造紙やスケッチブックにまとめるだけ。
学年によって、目的を変えれば低学年でも高学年でも題材として十分に使うことができます。
まずは低学年向けの研究は、「生き物の多様性と生息環境を知ること」を目的にしてみましょう。
やり方は以下の3ステップです。
まずはガサガサをしてみましょう。
「川」と一口に言っても、水の中、水際、河原、河畔林、水田、森と多様な景観、環境で成り立っています。
これらが流域内で緩やかに繋がることで、生き物の多様性は育まれているのです。
低学年の研究はまず川の楽しさと、川には魚以外にもエビ、カニ、カメ、ヘビ、カエルなど様々な生き物が棲んでいることを知ることを目的にしてみましょう。
なるべく身近で小さな川を2~3選び、川の中や周辺で色々な生き物を探してみます。
低学年のうちは採った数に一喜一憂するものですから、その数を調べて、魚が●匹、カエルが●匹、ザリガニが●匹、といった具合にして川の生き物地図を作ってみます。
生き物の細かな種類などは突き詰めず、生き物を採る事、たくさん生き物がいる事を体験して覚えておく事を目的にしてみましょう。
川の生き物地図には採った生き物を絵で描いてみるのもいいですね。
川で体験した事を思い返して形にする事で、記憶に残っていくでしょう。
可能であれば、採った生き物を少し持ち帰って、飼ってその過程も研究成果にするとより充実します。
自分で採った生き物を飼ってみることで、その生物はどんな風に泳ぐのか、何を食べるのか、何に食べられてしまうのか、死んだらどうなるのか、生物の一生を知ることができます。
これは飼ってみないとわかりませんし、お父さんの助けがいる作業です。
手を出し過ぎずに、問いかけには一緒になって考えて、方向を示してあげるくらいでいいと思います。
恐らくは多くの生き物が死んでしまうかもしれませんが、生き物は死ぬという事実は、とても大切だと思います。
死んでしまったら、どうして死んでしまったのか、それを色々と考えてみることです。
採った場所と水槽の中では何が違ったのか、死なないようにするにはどうしたらいいか。
そうやって生き物のことを知り、採った川の事を知っていきます。
この時気をつけるべきことは、最後まで責任を持って飼う、ということです。
わが家では死んでしまった生き物は、土に埋めてあげるようにしています。
高学年になれば、採れる生き物の種類は格段に増えるので、ガサガサやる場所を一つの川の中で増やすようにします。
流域マップを作って自分の住む流域について研究することを目的にしてみましょう。
生き物は水温、流速、水深、流路、川床それぞれに適応する場所が異なり、驚くほど多様に生きています。
その様子がわかるよう、ガサガサした場所の特徴と採れた生き物の特徴を関連づけて、マップやリストにして生き物の種類について細かく見てみましょう。
さらに護岸や堤防などはどういう形状か、匂いはどうか、水の色はどうなっているかも調べてみます。
一つの川を全体的にみていくことで、自然環境の景観の多様性と、それに連動する生き物のことを俯瞰的視野で見ることができ、自分の生活と関連性を見出すことができるようになるのが狙いです。
例えば以下は、「生き物探検部-僕らの生きものマップ-新郷瀬川」さんが制作した流域マップです。
生き物を獲った場所、生き物の特徴がまとめられていますね。
出典*生き物探検部-僕らの生きものマップ-新郷瀬川
さて、それぞれの学年ごとの狙いとアウトプットをまとめたところで、実際にガサガサを行ってみます。
■服装
服装の基本的な考え方は、安全であることと動きやすいということです。
長靴はすぐに水が入ってきて無意味になりますし、水が入ると重くなって危険です。
サンダルはつま先等肌が露出する部分が多く、水中で怪我をする可能性が高いですし、石や砂が入ってきてしまうのでやめましょう。
長袖長ズボンも素肌の露出を避けるためで、場合によってはヤブの中に入ったり、転んだりするためそのダメージを防ぐために着用します。
ジーンズは生地が丈夫ですが、濡れたらとても重くなりますし、乾きにくいので川には不向き。
おすすめは濡れても軽く、速乾性のある化繊のものです。
そして熱射病予防も万全にしましょう。
特に子どもは首元から熱を吸収しやすいので、水面からの反射熱を防ぐため、夏場は野球帽のような帽子ではなく、首元まで隠れるタイプの帽子が必要です。
ライフジャケットは絶対に必須です。
実は川での水難事故のほとんどはライフジャケットを付けずに起こっているものなので、万が一のためにも絶対に着用してください。
選び方は、体格に合ったカラフルで単色のものが一番。
デザイン的に迷彩柄も人気がりますが、もしもの時、つけやすい事が大切なのでなるべく目立つ色を選んでください。
■必須道具
とりあえず、この二つがあればどこでもガサガサできます。昆虫用の丸いタモ網はダメです。
魚が逃げる隙間を極力小さくすることが大切ですから、真っ直ぐなっている辺を川底に当ててガサガサします。
採れた生き物はバケツに入れて移動します。入れやすいのと、持ちやすいことが何より重要です。
■あれば便利なもの
まだ泳げない子どもや、泳ぎに適さない水温のとき、箱メガネがあると水中が覗けて便利です。
水槽はガラス水槽は割れたりすると危険なので、安いプラスチックのものがおすすめです。
せっかく準備してもこんなところは生き物がいそうだなぁ、ガサガサできそうだなぁというポイントがいくつかあります。
ガサガサは見えている生き物を採るというよりも、隠れている生き物を採るという感覚です。
■生き物を誘導する方法
ガサガサは、草の下を足で蹴ったり、石をひっくり返したり、川底をかき混ぜたりして、驚いて出てきた生き物をタモ網で捕まえるのが基本。
それでもコツがあるので、是非参考にしてください。
「生き物が採れないっ」とふてくされている子どもに共通しているのは、生き物が出てくるだろうところにタモ網がない、ということ。
とても単純なことですが、重要です。ガサガサして生き物が驚いて出てきたとしても、見当外れのところにタモ網を置いていたり、網がくしゃくしゃになっていて生き物が入らなくなっていたりします。
きちんとタモ網の中に生き物を誘導するということを意識することが大切なので、丁寧に繰り返しお父さんが教えてあげましょう。
ガサガサを自由研究で活用する方法をご紹介しました。
もう一度まとめてみます。
ガサガサに行く準備は以下のとおりです。
ライフジャケットは忘れずに。
■服装
■必要な道具
■あれば便利なもの
生き物がいるポイントをしっかり狙うと、たくさんの生き物に出会えます。
その結果のアウトプットは小学校低学年と高学年それぞれご紹介しました。
低学年は川の生き物地図、高学年は流域マップを作ることになります。
低学年はどんな生き物が何匹いたか、さらに飼育してその記録をアウトプット、高学年はさらに川全体についての情報と、生き物の生態についての情報をプラスします。
ガサガサを行う場所も2~3分けて、その違いから何がわかったかをまとめるとより充実します。
自由研究ではありますが、ガサガサで楽しく一緒に遊ぶことが基本です。
お父さんも一緒に思い切り楽しんで一緒に研究をやってあげてください。
素敵な夏休みを!!