住宅メーカー出身で、地元の愛知県岡崎市を中心にした不動産を扱っている株式会社HIESの代表小林さんに失敗しない土地の探し方を5つ伺っています。
前回は「両手取引と片手取引」について教えてもらいました。
今回は土地を「できるだけ安く土地を買いたい」と考えている方にはぜひ読んでもらいたい内容です。
例えば、「掘り出し物の物件」について、小林さんは、
よく掘り出し物はありませんか?と聞かれます。
できるだけ安く土地を買いたい気持ちはわかりますが、土地に掘り出し物があるというのは、幻想です!
幻想!?
掘り出し物はこの世にはないということなのでしょうか?
どういうことか、詳しく解説してもらいましょう!
まずは理解を深めるために、土地の見つけ方を説明します。
不動産屋さんがお客様に土地を紹介する方法は2つあって、1つは地主さんから依頼を受けるパターンと、もう1つはREINS(注1)などの不動産ネットワークに加盟して仲介するという方法です。
全国の加盟している不動産屋さんに向けて情報が配信されるので、土地の価格は「相場」通りだと思って間違いありません。
仮に破格的に安い物件があったならば、相場を知っている不動産屋がすぐ買い上げて、相場の価格で販売するでしょう。
中古車市場と似ており、売り手は高く買いたい、買い手は安く買いたい心理がある以上、破格の物件は存在しにくいです。
(注1)REINS…国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているネットワークのこと。加盟した不動産屋はレインズの不動産情報を見ることができる。
ネットワークなどを通じて出回る情報がほとんどなので、価格は相場通りであることはわかりました。
競売物件などは掘り出し物ではないですか?
たしかにお得ですが、土地はただ安ければいいというものではありません。
境界線がきちんと明示されていなかったり、瑕疵担保責任(注2)がない物件だったりする可能性があります。
境界線の明示ですが、これはトラブル回避のためには必須ですよ!
どこからどこまでがその土地なのかがはっきりしていないと、外壁をどこに建てるかなど、位置を定めることができません。
(注2)瑕疵担保責任…一般の人では簡単に発見できないような瑕疵 (欠陥) があった場合、売り主などの引渡し義務者が,買い主などの権利者に対して負う担保責任のこと。
境界線が明示されていない場合は、売り主もしくは買主が土地家屋調査士に依頼し測量を実施し、境界線を確定させます。
その費用も30万以上はかかり、期間も3~4ヶ月と時間もお金もかかるのです。
また、瑕疵担保責任がない場合も、かなり注意が必要です。
地中から浄化槽など産業廃棄物として認定されるものが埋まっている場合、ご自身で処理をしないと不法投棄となってしまい罰則対象になります。
すると、その確認にも当然費用が発生し、せっかく安く手に入れた土地に測量や土地家屋調査士などへの依頼の金額がかさみ、さほど市場価格と変わらないということになりかねません。
競売物件を見て本当にお得かどうか判断は、プロしかつかないと思います。土地はあまり詳しくない方が、競売物件などに手を出すのは手間もお金もかかりおすすめしていません。
では土地の相場の金額はどうやって決めているのでしょうか。
例えば売り主が一般の方の場合、
この2つがあります。
価格が高すぎると市場から見放されて売れないし、安すぎると不動産屋がすぐ買い取って相場で販売し、売り主は損をします。
土地に掘り出し物はないので、相場通りの価格だと思っていただいて間違いありません。
ネットなどで条件を入れて情報収集し、土地の相場観を知るようにしましょう。
掘り出し物は逆に怖いと思って疑った方が良いです。
自分だけ掘り出し物を見つけて得をするということは、できないのですね。
いかがでしたか?
できるだけ安く買いたいと思ってここまで読んでくださった方、申し訳ありませんでした…!
私も安く購入できるポイントを伺いに取材にきたのですが、ポイントは以下の3つでした。
このように、掘り出し物物件は存在しないということを教えていただきました。
土地も普段の買い物のようにお値打ちなものを探したくなりますが、相場を信じて自分たちが良いと思う土地を探すことが一番大事なんですね。
次回は「3・土地購入の注意点をズバリ指摘してくれる強い味方は、マイホームの建築担当者」について教えていただきます。
土地探しをする時には、家を実際に建てる方、もしくは建築の仕事をしてる方にセカンドオピニオンになってもらうと、より間違いのない土地を探すことができるそうですよ!