Categories: 富士山と生きる おばあちゃんの知恵

簡単!今が旬・ゆず香る白菜の一夜漬け

こんにちは、クラッソーネライターの豊田有希です。
富士山と生きるおばあちゃんの知恵では、山梨県巨摩郡身延町に住むおじいちゃん、おばあちゃんの暮らしの知恵を紹介しています。

第15回の11(霜月)。
今回は「簡単!今が旬・ゆず香る白菜の一夜漬け」をご紹介します。
取材日の11月25日は雲ひとつない青空だったのですが、朝の身延町は冷え切ったようで霜がおりていました。
さむ~い朝です。

紅葉の見ごろは少し過ぎたようですが、家から毎日紅葉を眺めているよ、とおじいちゃん。
ちょうど縁側から見ると、目の高さに山が広がります。
実はこの山の向こう側にちょうど富士山があるのですが、近すぎてもっと高いところに登らないと見れません。
身延町は山に囲まれていますので、富士山まで目と鼻の先にありながら、富士山が見えるスポットは多くはありません。

無農薬野菜の美味しい○○

おばあちゃんの職場と言えば徒歩30秒の家庭菜園です。
家庭菜園といってもかなりの広さがあるので、野菜はほぼ自給自足。
ただ、11月下旬ともなると、先月とは違い、畑はだいぶ寂しくなっていました。
そんな中、この衝撃的な姿が目に飛び込んできました。

これ何の野菜だかわかりますか??? 
実は白菜
無農薬で育てているため虫がつくので、それを取るのもおばあちゃんの大事な仕事なのですが、例年よりも早く植えたせいか、今年は虫が外側の葉っぱを食べつくしてしまったそうです。
まるで何かの建造物のような姿に唖然としてしまいました。
でも、中身(ミニ白菜のサイズ)は食べれたそうですよ。
虫は葉の柔らかいところだけを食べてしまったんですね。

「きれいなところまで(葉を)むいたら小さくなってしまったわ」と陽気に笑うおばあちゃん。
自然と共に生きるということは、想定外の連続で、毎年同じことは起きません。
豊作の年もあれば、不作の年もあり、こういった残念な結果も起こるわけですが、そのひとつひとつに落ち込むのではなく、しょうがないね、と笑えるところが「自然のあるがままを受け入れる」ことであり、生きていく上での大事なヒントになるような気がしました。

こちらは聖護院大根
細長い大根ではなく、まぁるい大根ですね。
京都では千枚漬けが有名です。
この大根は煮るとトロットロになって本当に美味しいです。
これからの季節にぴったりの大根ですね。
この大根の煮物の作り方はこちらの記事で紹介しています。
エコであったか自作の窯で「炭焼き」と、おばあちゃん特製大根料理レシピ

こちらは植えたばかりのねぎ
冬を越えて美味しくなりそうです。
茶色くみえるのは籾殻ですね。
保温の効果があると言われています。

つきたて御餅のお供に・・・簡単!ゆず香る白菜の一夜漬け

私たちはおじいちゃん、おばあちゃんに教えてもらいながらお米作りをしているのですが、ようやく新米も取れましたので、毎年恒例の「餅つき」をしました。
自分たちで作ったお米を仲間と一緒に食べる喜びはこの上ない喜びです。

そんなときにもおばあちゃんには来てもらい、お餅の丸め方を教えてもらったりしています。

せいろで蒸したもち米は、塩をつけて食べるだけでとっても美味しい!絶品です。
おばあちゃんは「はい、美味しいよ。食べてみて。」と声をかけてくれます。

蒸したもち米の美味しさは、おばあちゃんから教えてもらいました。
あまりに美味しくて、皆の手が伸びるので、途中で止めないとお餅が減ってしまうほどなんです。

こねて、ついて、ヨイショヨイショと掛け声をしていくうちに、こんなに伸びるようになります。

粒がなくなるくらいについたら、まるめて出来上がりです。
これをお世話になった方々にも贈り、収穫の喜びを分かちあいます。

手作りの豚汁と共に。

つきたての御餅は餅嫌いの子供も食べてしまうほど、美味しいです。

そんな餅つきにおばあちゃんが差し入れで持ってきてくれたのが、ゆず香る白菜の一夜漬けです。
ほんのりとゆずの香りがアクセントになった、美味しい漬物でした。

箸休めにぴったりのお漬物。

11月に入るとゆずが取れだすので、そのゆずの「皮」を使って作ってくれたようです。

おじいちゃんがめずらしいゆずを見せてくれました。
7つ頭ならぬ7つ柚子。

7つのゆずがひとつの枝に所狭しとくっついています。
そのせいですこし部分的にへこんでいるのですが、ひとつひとつは大きいゆずでした。

ゆず香る白菜の一夜漬けの作り方

材料 

  • 白菜
  • ゆずの皮(汁は使いません)
  • 人参、大根の葉など
  • 調味料(塩 少々 醤油 少々)

*今回は人参ではなくラディッシュとラディッシュの葉を使いました

  1. 野菜は洗って水気をきっておきます。 
  2.  
    白菜は小さめのざく切りにしていきます。
    ラディッシュは薄切り。
    葉もみじん切りにしていきます。

    *この白菜はおばあちゃんに分けてもらった白菜です。
    外側が虫に食べられてしまったせいで
    こんなに小さいサイズになってしまっています!

  3. ゆずの皮を薄くむき(白いところは苦味があるのでつけないように)みじん切りにします。
  4. 写真の左から時計まわりに皮をそいだゆず、ゆずの皮、みじん切りしたゆずの皮となります。

  5. 白菜、ラディッシュ、葉、ゆずのみじんぎりをビニールに入れて、塩少々(ふたつまみくらい)醤油少々を入れます。(お好みで量は変えてください)
  6. ビニールに入れたら、すこしもみ、なじませます。
  7. 冷蔵庫で一晩寝かせて、翌日に水を切って出来上がりです。
  8. ゆずが香ったさわやかな一夜漬け。
    簡単ですので、ゆずが手に入ったらぜひ作ってみてください。
    皮は一夜漬けに、汁は鍋のたれ(ゆず酢)にすれば一人二役ですね。

ベールに包まれた秋の風物詩・干し柿

秋の風物詩。
干し柿です。
ベールならぬネットがしてあるのは、なぜでしょう??
それはもちろん、猿に食べられないためにです。
写真には写っていませんが、ちょうどこの下にラジカセが置かれていまして、ラジオから人の声が流れています。
そうすることで、「人が近くにいる」と猿に錯覚させて柿を守る作戦です。

おすそ分けを頂きました。
皮は少し硬かったのですが、中身はやわらかくて蜜やジャムのような甘さでした。
生で食べれない渋柿を干すことで甘くした昔の人の知恵はすばらしいですね。

写真に写っているのは、何度も紹介している身延町が誇る大豆「あけぼの大豆」。
10月中旬は枝豆が旬となりますが、この時期に大豆として収穫をします。
大豆は収穫した後は天日干しにして脱穀し、2月には味噌に仕込みます。
2月には身延町の道の駅などであけぼの大豆の味噌仕込み体験イベントがたくさん行われます。

編集後記

後もう少しで年の瀬ですね。
そろそろクリスマスや年末の準備をしなくては・・・なんて思う時期ですね。
今年も、おばあちゃんのお庭に赤い実がなり始めました。

「難を転じて福となす縁起木」として有名な南天です。
南天を見ると、あぁもう年の瀬だなぁと感じるようになりました。
12月にはおばあちゃんの庭から南天の実を頂いて、稲の藁をつかった「しめ縄」を作るのが季節の手仕事になっています。

これから本格的な冬になりますね。
身延もますます寒くなりそうで、コタツの出番となりそうです。
皆様もどうぞご自愛ください。

豊田有希

1975年大阪生まれ 小さな頃は「芋掘り」が大好きなやんちゃな女の子。 1997年一部上場企業へ就職し、2016年3月に退職するまで19年勤務。 2010年田んぼできずなづくり事業を山梨県身延町でスタート。 翌年一般社団法人風土人を設立。代表を務める。偶然か必然か名前の漢字は、「豊」かな「田」んぼに「希」望が「有」る。 好きを仕事に生きていく。

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豊田有希

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