Categories: 【実況!隣の家づくり】吉房家編

地鎮祭を経て、基礎から内装工事へ。形になっていく憧れのわが家

今現在、家を建てているご家族に協力いただき、家づくりを密着取材する「実況! 隣の家づくり」。
普段、なかなか見られない家づくりの過程を紹介することで、これから家づくりの始める方の疑問や、お悩みが解決できればと思います。

今日ご紹介する吉房さんご夫婦の家づくりも、いよいよ第四回目となりました。
吉房さんは、ご夫婦と1歳・3歳の男の子の4人家族で、現在愛知県日進市に新居を建築中です。

これまでは、

  1. 家づくりのきっかけと資金計画
  2. 土地探し
  3. 家づくりの依頼は建築士へ

の、3つについて伺ってきました。

2人目のお子様の誕生をきっかけに、家づくりを考えはじめた吉房さん。
なんと土地が見つかる前に「建築事務所で家を建てよう!」と決定し、その後依頼先の設計士さんが土地を見つけてくださったそうです。

そして設計士さんもご夫婦も納得の土地で、家づくりがスタートしたのは初夏のこと。

今回は、実際建築中の現場を案内していただきながら、地鎮祭から現在作業中の内装工事までのお話を伺いました。

真夏の地鎮祭は子どもにとっても貴重な体験に

第2回でもご紹介しましたが、吉房さんが決めた土地は、日進駅から徒歩20分の高台にあります。
現在ご家族が住んでいるのも日進で、適度に都会ながらのんびり暮らせるこのエリアを希望し、ぴったりの場所が見つかりました。

周りは住宅地で、緑に囲まれています。
ゴルフ練習場が近くにあるロケーションで、初めて訪れた時、リゾート地みたいだなあと思いましたね。

すぐ近くに公園もあって、のんびり子育てできそうだなって。
もともと日進は子どもの出生率も高いそうで、子育てのしやすい街としても人気なんですよ。

さて、地鎮祭は7月上旬に行われました。

上の子も一緒にお酒をまいたり、乾杯用のお皿を持ったりと地鎮祭に参加できたのがよかったです。

子どもにとっても貴重な体験ができましたね。

棟上げ式は最近行わない方も多いそうで、吉房さんも特別に日にちを設けることはせず、区切りとなる日に現場に立ち会ったそうです。

洗濯の際の動線を徹底して考えた、奥様お気に入りのスペース

それでは実際に建築中のお宅にお邪魔しましょう。
土地自体も高台にありますが、家自体も、緑をより身近に感じられるよう、さらに上がった場所にあります。

玄関を入ると右手が寝室、左手が水回りになっています。
まず左手に入ってみました。

玄関の隣、今扇風機が置いてあるあたりは2畳ほどのシューズクローゼットです。
その隣がファミリークローゼットになっています。

そしてこちらが、奥様が一番こだわった洗濯スペースです。
お風呂から繋がる洗面・洗濯室、小さな窓が付いている部屋がファミリークローゼット。
「洗う」「干す」「畳む」「しまう」が最短距離でできる動線になっています。

脱いだものを洗って、その場所で干して、乾いたらすぐ収納できるよう「最短の動線」を一番に考えてもらいました。
基本的には部屋干しが中心になるので、脱衣室には洗濯用の乾燥機をつけてもらっています。

また、雨が降らない日は外にも干せるよう、脱衣室にもドアを付け、開ければすぐ干せる動線にもなっているとのこと。

数歩で洗濯に関するすべてができ、動線がコンパクトにまとまったスペースはまるでコックピットのよう!
忙しいお母さんにとってはありがたいスペースですね。

そして今回は都合で撮影ができませんでしたが、玄関から入って右手の奥が寝室になっており、その手前に、廊下を挟んでトイレと趣味部屋があります。

寝室の広さは6畳ほどです。
トイレを近くにしたので子どもが小さいうちは安心ですね。
インテリアはシンプルに白でまとめます。

隣接する3畳の個室が旦那様の趣味部屋。

今は住んでいるところが賃貸マンションなので、折りたたんでしまってますが、ドラムをやってるんです。
新居に移って再開したら、思いっきり叩いてみたいですね!

職人さんのお仕事も間近で見ることができるのも、建築中のお宅ならでは。

暑い中で作業を行う真摯な姿に、仕事への愛情が窺えます。
お忙しい中、ご協力くださってありがとうございました。

緑あふれるロケーションを絵画に見立てたリビング

さてLDKとなっている、メインの2Fに上がりましょう。
階段を上がると、窓いっぱいに広がる緑に目を奪われました。

設計士さんのイメージが「この緑を絵として切り取りたい」というものでした。

土地を設計士さんが見つけてくださった利点が、ここで活きてきたんだと思います。

大きな窓から、五感のすべてで緑を感じられます。
窓を額に見立てたこの景色が、京都・源光庵の「迷いの窓」「悟りの窓」を連想させました。

輝く光がまぶしい日。葉が雨に濡れる日。緑が濃くなる春や色づく秋。
四季折々に切り取られる自然の表情は、家族の一人ひとりにどのような思いを抱かせるのでしょう?

訪れたのは8月の末でしたが、爽やかな緑と心地よく流れる風が、暑さを忘れさせてくれました。

リビングの広さは10畳くらいです。

こちらもインテリアはとにかくシンプルな感じで。
大工さんの作業台が置いてあるあたりに、ダイニングテーブルを置く予定で、椅子はYチェアにしたいと思っています。

現在のテレビの大きさに合わせたテレビ台も設えてあります。
収納やリモコンを置く場所が最初からあるので、使いやすそうですね。

リビングは吹き抜け。上はロフトになっています。

ロフトの広さは12畳ほど。
柵がついて収納スペースとして活用する予定です。

小さなお子さんにとっては絶好の広さと天井高!
かくれんぼを楽しんだりと、心ときめく場所になりそうですね。

ご夫婦ともにお気に入りのウッドデッキ

さて、忘れてはならないのがウッドデッキの存在。
「一番お気に入りの場所は?」の質問に、お二人は声を揃えて「ウッドデッキ!」と答えてくださいました。
前回も、こだわりのスペースとしてご主人がウッドデッキを挙げていらっしゃいましたね。

僕が一番こだわった場所なんで、リビングよりも広いかも(笑)。

窓からの景色もそうなんですが、このロケーションを一番感じられるんじゃないかなと思います。

まだ建築中のため入ることができませんでしたが、リビングが約10畳なのに対し、ウッドデッキは約12.5畳と、確かに広い!
お二人のこだわりが伝わってくるようです。

ウッドデッキで食事をすることが、今の一番の楽しみなんです。

家族でのんびりここで食べてもいいし、お休みの日にはおばあちゃんたちを呼んだり、お友達を呼んだり。
引っ越し予定が10月で気候もいい時なので、お披露目パーティーもここで…と夢はふくらみますね。

リビングの横、ロフトの下あたりはキッチンとパントリー。
こちらは1Fの洗面・洗濯スペースに続く、奥様こだわりの場所です。

キッチンの希望はただひとつ「オープンにしたい」というシンプルなものでした。
そこでリビングの様子が見渡せるように、I型のキッチンにしてもらいました。
オール電化ではないですが、コンロはIHです。

キッチンの下は収納スペース。
キッチン側からはフライパンや調味料などを、リビング側からは文房具や日用品などこまごましたものが入れられるようになっているそう。

とにかく、見えるところにモノを置かないようにしよう! と(笑)。
新居では、隠す収納を徹底したいと思ってます。

その思いを体現しているのが、キッチン奥のパントリー。

こちらにはレンジやトースターなど、家事に関する電化製品や食品・食器を収めます。
左手の台にはパソコンを置く予定です。扉もあるので、落ち着いてレシピを調べたりメールもできそうです。

パントリーの手前には凹んだスペースがあります。
ここは何のスペースでしょう?

ここには冷蔵庫が入るんです!

なるほど!
冷蔵庫がきっちり収まるスペースですね。

それにしても電化製品を、しかも冷蔵庫までリビングから見えなくするという発想はありませんでした。
わが家のキッチンから発する情報量ってすごい量だもんなあ…と反省しました(苦笑)。

もともとシンプルな暮らしが好きなんですが、新居に移ったら、よりすっきりと、モノのない毎日を過ごしたいですね。
収納をたくさん作ってもらったので、なるべく増やさないようにがんばろうと思います!

建築事務所に頼む強みは、インテリアまで担当者が相談に乗ってくれること

初めてこの土地に出会ってから一年ほど。
ようやく吉房さんのお宅が、形になり始めてきました。
そこで改めて、この土地や自分の家づくりに関して、感想を伺ってみました。

設計士さんが土地を見つけてくださったので、そこからイメージしてもらえたことが大きかったと思います。
このロケーションとこの緑を活かすには、どんな家がいいのかをさまざまに提案してくださったので、わくわくしましたね

予算への不安もあったのですが、徹底してコストコントロールをしてくださいました。
かなり骨を折ってくださったようで感謝しています。

設計士さんご自身、いろいろな家を創ってきた方ですが、こういう山小屋のような家はあまりなく、個人的に興味があったとおっしゃってました。それもプラスに働いた気がします。
特に外観にはこだわりがあったので、1Fは吹き付けでもいいけれど、2Fからは木の感じを出したいというのが実現でき、満足です!

設計事務所って「ここはコーディネーターが担当」「ここは設計士が担当」って区切っていないので、進行もスムーズだったように思います。

「ここに向かって進めばいい」というのが明確なので、意外にも決めることがシンプルだったですし、楽だったかなと。
インテリアもすべて頭の中でイメージができあがっているようで「家具やカーテンも是非相談してくださいね」と心強いお言葉を頂いています。

土地を探すより先に「設計事務所で建てよう!」と決心されたお二人。
建築事務所での家づくりは、設計士さんにもよると思いますが、創る前にすでに頭の中に完成図があるので、そこに向けて進むという、シンプルな家づくりが可能になるのかもしれません。

吉房さんご夫妻の場合は、トータルなイメージや予算配分までお願いでき、さらに結果的に決めることが少なく、デザインも進行もともに「シンプルな家づくり」ができたと話していらっしゃいました。
家具や照明、カーテンなど、インテリアのトータルコーディネートがおまかせできるとは。これはもっと広く伝えていきたいですね。

そんな吉房邸は、9月末に完成予定だそう。
最終回となる次回は新居にお邪魔します。

これまで見守り続けていたお宅が、まさに形になった瞬間。
私も今からとても楽しみにしています!

増田 有香

名古屋在住、名古屋出身のライター。情報誌を中心に活動し、編集プロダクションを経て2002年に独立。幼少時からインテリア雑誌を見て育ち、住宅関連会社、マンション販売会社での勤務経験もある。自他ともに認める「お家大好き人間」だが、ライブ参戦の時だけは別人になり、良き音楽を求め東へ西へ。贔屓のアーティストは、中田裕二、クレイジーケンバンド。

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