住宅展示場や雑誌などを見て、「こんな家に住みたい」というイメージが固まってきましたか?
継ぎはいよいよ「自分たちの住みたい家はいくらかかるのか?」を知る段階です。
自分たちの住みたい家の値段は間取り図を作り、その間取り図を元に見積書を作るという流れで明らかになります。
金額を明らかにすることを含め、間取り図作成の目的は以下の3つあります。
この間取り図制作は、非常に重要な段階です。
まだ会社を絞り込めていない段階で、1社に絞るのはちょっと勇気が要りますよね。
気になる会社全てに間取り図作成を依頼してもよいのでしょうか。
間取り図作成を依頼する建築会社を選ぶ基準は、担当者の対応や雰囲気を見て、金額、提案が気に入ったらぜひ建てたいという会社を選ぶことです。
また、住宅展示場の間取りが気に入ったという理由で、検討している会社がある場合は担当者や会社のの雰囲気が気に入っているところにその間取り図を参考として持っていけば大丈夫です。
この記事では、間取り図作成の流れと、満足できる間取り図を作るためのポイントをお伝えしていきます。
まずは業者絞込み、間取りづくりのポイントからご紹介していきましょう。
例えば気になる業者が3社あるとしたら、3社で間取り図を作ってもらい、それぞれ見積もりをとって比較して絞り込みます。
間取り図と見積書から、この会社ではやりたいことを実現するにはいくらかかるかを見極めます。
見積もりにつながる間取り図作成ですが、早く金額を知りたいからといって「ざっくり」決めるのはおすすめできません。
まだ相見積もり段階でも、間取り図の完成度は8割位固めるのを目標にしてください。
理由は間取り図と見積書は建築業者選びの判断材料にもなるので、あまり的外れな内容だと正確な検討ができないからです。また、これらの書類は住宅ローンの事前審査を行うので、あまり金額が違ってしまうと審査のやり直しが必要になってしまうこともあるからです。
ここからは間取り図の作成の流れをお伝えします。
実際にハウスメーカー、工務店、設計事務所などで間取り図を作成するには、日数や費用はどのくらいかかるのでしょうか。
まず工程は以下の3段階あり、各1日、合計3日間を要します。
段階1.現地調査
段階2 要望のヒアリング
段階3 要望を踏まえた間取り図を提案してもらう
この工程については後ほど詳しく解説します。
また費用ですが、営業の一環として考えられているので無料というところが多いですが、会社によっては作成費が発生する場合もあります。
またハウスメーカーの場合はほとんどが提案無料ですが、会社によっては提案料が必要だったり、1回目は無料でも2回目から有料になることもあるので、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
現地調査とは、建築会社の担当者が敷地の状況や近隣の環境を調査することを指します。
家を建てるにあたり、建築会社は登記簿謄本、敷地図面を取り寄せ土地の情報を取得します。
まず、登記簿謄本はその土地の所有者などの情報が掲載されたもので、法務局で取り寄せができます。
会社にごとに対応は違いますが、多くは会社のほうで取ってきてくれることがほとんどです。
そして「敷地図面」ですが、こちらは、土地の寸法を示した情報です。
この敷地図面はない場合も多く、その場合は現地調査の時に担当者が計測します。
現地調査の重要さは持ち主や寸法を知るだけでなく、その土地の周辺情報をじっくり観察することが大きな目的となっています。
環境によって提案する間取り図は大きく変わります。
例えば、交通量の多い道路が近い場合、道路の近くには寝室を置かないほうがいいと思いませんか。
それから、周辺建物の影響で敷地内で日陰の部分が出来るのであれば、部屋の配置や採光を考えるべきですね。
これは現地に行ってみないとわからない情報で、最適な間取り図を作るための情報が現地にはたくさんあるんですよ。
その他、ニオイ、周辺の建物や眺望などもチェックするそうです。
現地調査で周辺状況などをつかむことができたら、次のステップはいよいよ要望のヒアリングです。
担当者にもよりますが、まずはお客様の現状の不満や、必要な部屋数、実現したいこと、生活スタイル、などを順番に洗い出していきます。
要望のヒアリングは担当者主導で行っていくのですが、言葉だけではなかなか伝わらないこともあります。
スムーズなイメージ共有のために、用意しておいたほうが良いものが3つあるのでご紹介します。
例えば「和風でシュッとした家がいい」と表現しても、言葉だけでは具体性に欠けイメージの共有に時間を要します。
住宅展示場などで気になった外観、内装、インテリアや暮らしの写真を用意しておくと、担当者が意図を汲み取りやすく、納得の行く間取り図として反映されていきます。
現在お住いの家には何かしら不満や、改善したいことはありませんか?
例えば憧れのソファーがあるけれど狭くてソファーが置けない、靴が大好きだけど今は収納するスペースがなくて増やせないなど、どんなことでも構いません。
これらを箇条書きにして担当者に伝えると、課題を解決する間取り図が見えてきます。
間取り図は現在の住まいの課題を解決するもので、これらを掘り下げるとお客様の課題に繋がることが多いのです。
例えば「 家事スペースで紅茶が飲みたい」という希望があるとしましょう。
よく聞いていくと、今は子育てで忙しくて余裕がないからリラックスする時間が欲しいということが本音であることが見えてきました。
この場合必要なものは一人になれる空間ということになり、広めのパントリーにしてお茶が飲める空間を作るという提案ができます。
このヒアリング能力は担当者にもよりますが、課題を解決する間取り図を提案すると、お客様の満足度は格段に上がります。
大事なことは家を建てることで叶えたい暮らしやイメージです。
例えば週末は思い切り家庭菜園を楽しみたいという暮らしをしたい方であれば、建物の面積を大きく取るより、庭を広く取って畑ができるスペースを多く取ったほうがやりたい生活を叶えることができると思いませんか?
満足度が高い間取りを考えるためには、暮らしのイメージは非常に大切です。
簡単でも良いのでこちらも箇条書きにしてまとめて担当者に伝えていきましょう。
ご自身で上記3つを用意して、打ち合わせに臨みますが、 どこまでイメージを担当者に伝えられるかがキモなのです。
要望を洗い出した後はゾーニングです。
ゾーニングとはHOMES不動産用語辞典によると以下のように解説されています。
ゾーニングとは、空間をテーマや用途に分けて考えることをいいます。
ゾーンは大別して、パブリックゾーン、プライベートゾーン、サービスゾーンの3種類になります。住空間にも同様の分類があり、家族が集まったり、来客があったりというパブリックゾーン、個人の部屋となるプライベートゾーン、そしてキッチンやトイレ、バスルームなどのサービスゾーンです。これらのゾーンは、人の動きの動線を考慮すると、どこからも等距離となる正三角形の配置が理想だといわれています。
敷地図面や近隣環境、間取りの要望といった情報を元に、ゾーニングを行って間取りを詰めていきます。
話しながら図面に間取りを仮置きしていくやり方は、お客様からも「ここはこうしたい」と意見が活発にでてきやすくなります。
言葉だけではなく、ビジュアル化するとブレません。
結果的に満足度の高い間取り図が、出来あがっていきます。
なるほど、ビジュアル化されることで要望が具現化され、間取りの満足度も高くなるのですね。
ちなみに。かなり深く話をするような感じですが、時間はどのくらいかかるのでしょう。
時間は人によってまちまちで長いと3時間くらい、お客様によっては1回で終わらないこともありました。
時間をかければかけるほど、良い間取りにつながるということはありませんが、実例や写真を元にイメージを膨らませながら間取りをビジュアル化していくと、お客様ご自身が楽しい上に完成度の高い間取りになると思います。
いよいよやりたいことが具体化した間取り図ができあがります。
この時、ヒアリングをしっかり行って一緒にビジュアル化できていれば、満足できる間取りになっていると思います。
とはいえ、気になる点や改良したい点が見つかるはずです。
そんな時には、8割方の完成を目指して要望を伝えましょう。
1度で気に入る間取り図が出来上がることはほぼありません。
修正可能なので、意見を遠慮せずに担当者に伝えましょう。
修正の要望に担当者がどのように向き合ってくれるかで、担当者の人となりも見れますね。
これから家づくりの最後までずっとお付き合いしたい担当者かどうかは、こんなタイミングでも判断することができます。
会社によって修正費用がかかることもあるので、こちらも確認しておきましょう。
間取りが8割方決まれば、次は見積書の検討段階に移ることができます。
建築会社から出された見積書を見ながら、建築会社の検討を進めていきます。
ここまで、建築会社決める前の間取り図作成の流れや、満足の行く間取り図を作るポイントをお伝えしました。
最後にもう一度まとめます。
間取り図制作の目的は3つありました。
そのためには、気になる会社から相見積もりを取って、1社に絞り込んでいきます。
間取り図作成の費用は無料のところが多いですが、会社によって違うのでそれぞれ確認しておきましょう。
そして間取り図づくりのためには3段階の工程があります。
段階1.現地調査
段階2 要望を伝える(ヒアリング)
段階3 要望を踏まえた間取り図を提案してもらう
間取りの要望を伝える時には、以下の3つを用意していくとスムーズです。
相見積もりする会社が2~3社ある場合、だいたい1ヶ月見ておけば気になる会社で間取り図の制作と見積書作成ができます。
次回はこの見積書の見方についてご紹介します。