こんにちは。
くらそうねライターの豊田有希です。
富士山と生きるおばあちゃんの知恵では、山梨県巨摩郡身延町に住むおじいちゃん、おばあちゃんの暮らしの知恵を毎月紹介しています。

第31回の3月(弥生)。
春の暖かさと冬の寒さの両方が行ったり来たりでやってくるそんな季節ですね。
「庭の水仙も花が開いて春を知らせてるよ~」とおばあちゃんが言うくらい、お庭には黄色の水仙があちらこちらで咲いていました。

春の訪れを知らせてくれるものといえば…竹の子もそのひとつ。
おばあちゃんは毎日裏山を歩いて竹の子の先端が地中から顔を出していないかを見て回っているそうなのですが、実は先客に先に見つけられてしまったのだとか!

先客…?

それは、お猿さん!
裏山を歩いていたら、猿が小さな竹の子の柔らかい上の部分を食べた後を発見!
その猿が掘りきれずに置いていった地中の竹の子を堀っておじいちゃんとおばあちゃんは「初物」として竹の子を炒めて食べたということでした。

今年は3月に入ってから気温が高い日もありましたが、雪や雨が少なかったので地中が乾いていて竹の子が育ちにくく、なかなか見つからなかったとか。
それでも負けじとよ~~く目を凝らして探すと…
「土が割れている場所」を発見!掘ってみたら竹の子の小さなものが。

竹の子は出てくる時に下から土を盛り上げるので地面がほんの少し割れてきます。
そのほんの少しの変化を見つけたおあばちゃん、さすがです!
中を少し掘って見せてもらうと・・・小さな竹の子の頭が見えていますね。

でもこのままだとまた猿に見つかってしまうので(笑)、竹の枝と石を目印に置いて、土をかぶせて隠しておきます。
収穫するのはもう少し大きくなってから。
来月が楽しみですね。

今の裏山には他に、丸々と太ったどんぐりの実がくぬぎの木からたくさん落ちていて、それも猿が食べにやってくるそうです。
おじいちゃんとおばあちゃんの山や畑は猿にとって宝の山なんですね。

この大きさのどんぐりがバケツに8分目もとれたのよ~

えー!すごく大きいどんぐりですね!

いま、おじいちゃんがどんぐりを植えにいっているの。

え?どんぐりを植えに??

あの木(裏山の大きな木を指差して)がくぬぎの木よ。
木が出てくるのは何年後になるかわからないけどね(笑)。
昔はあの杉が植わっているところはわらび平と言われているくらいわらびが取れた場所だったの。

あの斜面の上ですか?わらび平ってどこかの地名みたいですね(*^^*)

竹の子の他にも、たらの芽、ふきのとう、わらび、のびるなど春にしか食べれない山菜が裏山にたくさんあります。

これがふきのとう。ここまで花が開いてしまうと、食べごろはもう過ぎているそうです。残念…
おばあちゃんたちはもうふきのとうと、のびるは今年食べたとか。

菜の花なども苦みが特長ですが、春は苦味を味わいながら冬の間に体内に溜め込んだ老廃物を排出するときなんだそうです。
おじいちゃんとおばあちゃん、いち早く先取りされていますね。
私も後に続きたい(ただ食べたいだけ)!

咲かせ上手なおばあちゃんにコツを聞いてみる

3月に入るとおばあちゃんのお庭にはいろいろなお花が咲き乱れて、本当に綺麗。
水仙、デイジー、マーガレット、さくら草、ビオラ、ムスカリ、すみれなどなど、たくさんのお花が出迎えてくれました。

原色ピンクで存在感抜群のデイジー(花言葉:美人、純潔、希望、平和)は、花びらが横向きではなく地面と平行。
まっすぐに空を見ている!
デイジーは日本名、雛菊。「day’s eye(デイズ・アイ)がなまったものだと言われていて、日中は花を咲かせ、夜になると花を閉じてしまうという由来から。

左の写真は13時くらい、右は15時半くらいに撮った写真なのですが、花びらが少し閉じかけているのがわかりますか?
おばあちゃんがデイジーの花が咲いたからと、おじいちゃんに報告したことがあったんですって。

入り口の花が咲いたから見てみて~。

え?咲いてないよ?

あれ…?夜は咲いてないんだねえ?

なんてことがあったようです。
そして、おじいちゃんは昼間すっかりお花を見るのを忘れてしまうそうです(;^ω^)

そして、こちらのマーガレット(花言葉:誠実、慈悲、貞節、安らぎなど)。
お嫁さんから母の日のプレゼントにもらったものを、もう何年も(何十年も?)咲かせて、増やしているそうです。
そんなに大切にしてくれるとお嫁さんも嬉しいでしょうね~。

白とピンク色が混ざっていますが、咲いてすぐはピンク、大きくなるにつれて白くなっていくんだとか。
増やすというと…種を取り出して増やすのでしょうか?
と思ったら、「挿し木で増えるわよ」ということでした!挿し木ってどうやるのでしょう?

枝(左の写真でおばあちゃんの手があるところ)を7センチくらい切って、水が近い地面に植える。
おばあちゃんは山からの水がいつもチョロチョロと流れて湿っている場所に植えています。
すると、枝から根が出てくるので、鉢に植え替える。
右の写真のように一本の枝からどんどんと茎がでてくるそうです。
改めて、植物ってすごいですね。

鉢に植え替えた茎につぼみがつき、今年は咲きそうだな~と思ったら冬は日当たりのいい室内の特等席に移動してポカポカの陽をあてると、花が咲きます。
今回増やしたものはお友達に分ける予定なんですって。

お花って買うと結構高いし、なかなか自分では頻繁に買えません。
でも家の中にお花があると一気にオシャレに華やかになるので、もらうととっても嬉しいですよね。
鉢のお花を買っても一度きりでなかなか翌年咲かせることができない私なので(泣)、今度は辛抱強く待ってみようかなと思いました。
おばあちゃんのお庭には、他にもまだまだたくさんのお花があります。

左:八重のマーガレット  右:さくら草(花言葉:初恋、淡い恋、青春)

ミツマタの花。枝が3つに分かれているから。
おじいちゃんの家では副業としてこのミツマタを育てて販売していた歴史もあるんですって。
(ミツマタは紙幣の原料になります。)

左:すみれ(謙虚、誠実)  右:ねこじゃらし
ねこじゃらしも水に枝をつけておくと、根っこがでるそうです。
おばあちゃん、いろんな発見をしています。

左:ムスカリ(通じ合う心、明るい未来)  右:ビオラ(純粋、あどけない愛、律儀)

今日のイッピン(逸品)・作り置きできる副菜たち

おばあちゃんのところに行くといつも美味しいおやつがたくさん出てきて、今や遠慮なく頂いちゃってる私ですが(笑)、今日のおやつはこちら。

大根の酢漬けと去年の乾燥竹の子の煮物です。

左の大根の酢漬けは、こちらも猿の大好物、聖護院大根で作っています。
お正月に収穫して、以前は煮物としてとっても美味しく頂きました。

酢漬けで日持ちしますので、作り置きにぴったり。
おかずの1品にもなりますし、小腹がすいてきた3時のおやつにも低カロリーでおすすめですよ。

作り方はとっても簡単で、

  1. 大根を切って、塩でもむ
  2. 塩を水で流し、しぼる
  3. 酢と砂糖を入れる

これだけ。
酢や砂糖の分量はお好みに合わせて作ってみてください。
もちろん聖護院大根ではなくて普通の大根でも作れます。
甘くなっている冬の大根がおすすめです。

乾燥竹の子とちくわの煮物は、お酒のおつまみにぴったりなお味です。
スルメのような歯ごたえが、長い間楽しめます。

おばあちゃんの職場ではベッドのバネをリサイクルして…

おばあちゃんの職場こと菜園。
猿や鹿の被害にあわないようにネットにがっちり囲まれているその菜園の中では、面白いものが活用されていました。
それがこちら。

円がいっぱい集まったこのワイヤーのようなものは、昔使っていた子供用のベッドのバネだそうです!
いんげんやきゅうりなど、つたが支柱にからまって成長していく野菜にぴったり。

細いくるくるとした茎が網に絡まりながら大きくなっていきます。
必要だから買いに行こう!ではなくて、家の中にある不要なもので代用できないか?というのはまさにエコ&リサイクルですね。

3月の畑ラインナップ

お花以外の植物の様子をうかがってみましたが…
「今はほとんど何もないのよ~。ちょうどじゃがいもを植えたところだけど」とのこと。
収穫時期を待つ野菜たちの様子を見せてもらいました。

左がキャベツで右がサニーレタス。採れたてサニーレタス、柔らかくて美味しいんだろうなあ~

ほうれん草と小松菜。畑で摘んでそのまま食卓へ。
右のほうれんそうを分けていただきました!葉がパリッとして美味しそう!

これはにんにく。まだ膨らんでいないそうですが、去年とれたにんにくの房を植えて育てているそうです。
国産にんにくは貴重なんですよ。

こちらはなんの花芽か知っていますか?白菜の花芽なんです。
菜の花ほど苦くなく、やわらかくて優しい甘さで美味しい!
おすそ分けを頂いたので、私は茹でて胡麻和えでいただきました!

あいまた(相又)大根、再び現る!

おばあちゃんの畑で取れる大根は、なぜかいつも変わった形のものが。
これまでにも何度か見せていただいたりお土産でもらったりしてきました。

そして、今回もまた!

人間の脚のようになっているオモシロ大根を見せてくれました。

これはもう小学生が大爆笑しそうなかたち(笑)

「なんで相又(あいまた)(ここの地名)の大根はこんな風になるんだろうねぇ」とみんなで感心しあったそうです。
写真で見ると緑のところは地上に出ている部分で、白い部分が土の中。
おばあちゃんは抜いてビックリ!まさかの姿で大根が現れました。
土の中で成長するときに、石や障害物に当たると枝分かれするといわれたりしていますが、この謎はまだ解けないままです。
不思議ですねえ~。

おじいちゃんは隣保組長さん

ミツマタとおじいちゃん。

おじいちゃんは今年、地域の約10戸の集落の隣保組長になったそうです。

隣保組長?
それは、隣近所の人々がお互いに助け合う(回覧板などをまわす)組織の組長さんです。
この隣保組長は毎年順番で回ってくるそうなのですが、任期は1年間なので次回は10年後。
「今回が最後になるかなぁ~?」と言いながら受けたそうです。
何をおっしゃる!まだまだ組長さんをやってもらわないと!

さて、お庭ではうぐいすが上手に鳴いていたのですが、毎日1時間欠かさずお二人で続けている散歩の際にもうぐいすがよく鳴くそうで、こんな会話を教えてくれました。

うぐいすって最初からうまく鳴けないのよね~

ケキョケキョケ…

まだまだだねぇ~『ホーホケキョ』(真似する)

ホーホケキョ!

あ!上手になった!

なんて会話を二人でしているそうです。
仲良しでなによりですね(*^^*)羨ましい!

おばあちゃんの日記帳には、『〇月〇日 バイパスでうぐいすが鳴いた』なんて日々の記録が残っているそうで、「今年も去年と同じ日に鳴いていたのよ~動物ってすごいわよねえ」と教えてくれました。

編集後記

おじいちゃんとおばあちゃんの家に近くにある身延山(みのぶさん)は、しだれ桜の里。
身延山久遠寺の境内には樹齢400年のしだれ桜があり、プロ・アマチュアのカメラマンがこぞって出かける写真スポットでもあります。

しだれ桜と一口に言っても、様々な樹齢、色、大きさがあり、白っぽい花びらのもの、濃いピンク色、薄いピンク色など、種類はたくさん。
ソメイヨシノとはまた違って、枝が垂れ下がって風にそよそよと揺れる花びらはなんとも可憐で風流ですね。
しばらく見とれてしまいました。

奥に見えるのが身延山です。
来月またここを訪れるときにはもう見られないと思うと寂しい限りですが…やっぱりそこも桜の魅力のひとつですね。