はじめまして、社団法人クリアウォータープロジェクトという団体で、水辺に関わる仕事をしている伊藤匠です。
突然ですがみなさんは「ガサガサ」ってご存知ですか?
ガサガサとは、魚取り用のタモ網で、川や池、水路などに棲む生き物を捕まえる遊び。
川で捕まえた生き物は、基本的には家にもちかえって飼い、生体や生き物の一生を観察するようにしているので、家には数えきれないほどの生き物と水槽があります。
ガサガサを通して川や生き物の魅力に取り憑かれ、以前住んでいた都心部から自然豊かな郊外の一戸建てへ引越したほどです。
僕の人生をも変えてしまったガサガサ。
「ただタモ網をガサガサやるだけでしょ」と侮ってはいけません。
子供が喜ぶので、おでかけにピッタリの遊びである上、お父さんも楽しめるのでオススメの川遊びです。
早速お父さんにオススメのガサガサの基礎と、人生まで変えてしまったガサガサの魅力についてご紹介します。
ガサガサのやり方はとってもシンプルで、方法は草の下を足で蹴って「ガサガサ」したり、川底をぐるぐるとかき混ぜたり川に刺激を与えます。
その刺激に生き物が驚いて出てきたところを、タモ網でキャッチするだけ。
水辺を素足で歩くのは危険なので、必ずウォーターシューズを用意してください。
川に入る準備ができたら、早速川へ入りましょう。
魚に限らず、カメ、カエル、カニ、エビ色々なんでもキャッチします。
遊ぶ場所も干潟、汽水域、下流域、中流域、上流域など水辺であればどこでも大丈夫です。
醍醐味は、生き物にとって棲みよい環境が違うため、獲れる生き物が全然違うという点で、生物を直に見ることで、生態系の違いや自然を目で見て学ぶことができるのです。
しかも水があれば何かしら生き物は棲んでいるはずで、川は至る所にあります。
しかも遠い自然ではなく、身近な自然。見えていないだけで川面のその下には豊かな別の世界があることに、大人も子供もワクワクしてしまうはずです。
我が家でも、僕の知らぬ間に息子が水槽の前で魚図鑑を広げ、じっと見比べていたりします。
まだ字が読めないので、視覚を総動員して観察しているようです。
この時の息子の真剣な眼差しが僕はとても好きなんです。
朝起きると、「●●が餌を食べた」「●●が死んだ」と、魚たちの様子を報告してくれます。
車で走っていると川や田んぼを見つけては、田んぼに水が入ったからトノサマガエルを採りに行こう、などと言ったりすることも。
生き物に親しんだ原体験を持つ子どもは、自然の大切さを真の意味で理解できる人間になると思います。
川遊びにはそんな大きな効果をも併せ持つと僕は信じています。
こうして川や生き物に触れる生き方、暮らし方は、家族関係をも豊かにしてくれるのではないでしょうか。
僕はつい2年前まで僕は地元の出版社で11年間、広告の企画営業や販促物の企画制作、イベントやセールスプロモーションなどのディレクションの仕事をしていました。
しかし、子どもが産まれて、「子どもたちとどんな暮らしがしたいだろう。」
そして「それは今のライフスタイルでできるのか?」と考えました。
一度立ち止まったとき、私の遠くない原体験として川や野山で過ごした記憶が鮮やかに戻ってきました。
今の生活を続けていたら、子どもたちにはそんな原体験をもたせてやれない、という焦りが大きくなって・・・。
新しいものを追いかける生き方ではなく、大地に根を下ろし、生活そのものを楽しみ、普遍なものを見つめる暮らし方。
「自分の存在を自然の循環の中にちゃんと見つけられる生き方がしたい」と考えました。
そのため仕事を変え、住む場所を川の近くに変えました。
今行っている仕事を以下に少しご紹介します。
このように、幅広くて一言では伝えられないのですが、川に関わる仕事を心底楽しんでいます。
その結果、家族みんなで自然を満喫する時間も増え、僕個人の生物採取生活も充実。
見たことのない生き物に出会える喜び、家族が豊かになる暮らしに満足しています。
わが家の休日は双子の男の子、女の子という2人の子供と、妻と4人で川へ出かけて一緒に遊ぶのが定番です。
古来、父親は猟に出かけ獲物を捕ってくる大きな役目を持っていたはず。
現代も食料を得るための現金を得るという意味では変わりませんが、子どもにとって実体のあるのはお金ではなく、ホンモノの何か。
私はそれが「生き物」だと思うのです。
生き物を捕って来られる人への憧れはヒトの本能としか言いようがないなと思っています。
生き物を捕まえて来られるお父さんは間違いなくカッコいいということを、川は自然に子供に伝えてくれます。
採った生き物は家に持ち帰って飼育してみてください。
図鑑だけではわからないこと、その場で少し見ただけではわからないことが様々にわかるようになります。
子どもと一緒になって「この生き物はなんだろう?」「何を食べるんだろう?」「 どうやって飼えばいいのだろう?」と、調べて実践する楽しみは底知れないもの。
日々の観察を通して、親子のコミュニーケーションも格段に増えます。
子どもたちには、実体のないものや流行りに拘泥して右往左往する生き方ではなく、土地の歳時記や、地形、天気、生き物に親しんで生きることの心地良さをわかってほしいし、そこに機微を感じてほしい。
川やそれに連なる田んぼや野山は、僕たちの生活にとても近く、気軽に楽しむことのできる最高のフィールドだと思います。
現在、わが家には90センチ水槽が2つ、60センチ水槽が3つ、45センチ水槽が2つ、睡蓮鉢が2個、タライが2個あって、プラスチックケースは数知れず。
その水槽で、ナマズ、ギギ、フナ、コイ、アブラハヤ、タカハヤ、カワムツ、ヌマムツ、オイカワ、カワヨシノボリ、ウキゴリ、ゴクラクハゼ、ジュズカケハゼ、ミナミテナガエビ、スジエビ、ヌマエビ、メダカ、ドジョウ、ニシシマドジョウ、スジシマドジョウ、トウカイコガタスジシマドジョウ、ホトケドジョウ、アジメドジョウ、カジカ、サワガニ、ウナギ、タウナギ、コウライモロコ、モツゴ、タモロコ、ヌマチチブ、ドンコ、イトモロコ、オヤニラミ、ヤリタナゴ、アブラボテ、タイリクバラタナゴ、カネヒラ、カワヒガイ、ニホンアマガエル、ヤマアカガエル、トノサマガエル、ナゴヤダルマガエル、シュレーゲルアオガエル、イモリを飼っています。
もちろん、すべて自分でつかまえた生き物。
自画自賛ですが、僕は今のところ息子のヒーローに成りえていると思います。
子どもと一緒に川に入るだけで、どんなお父さんもヒーローになれてしまうのです。
そして、川や生き物といった自然とふれあうことで、家族が豊かになるメリットもあります。
ぜひ一緒に
次回からはガザガサをもっと楽しむ方法や、生物の飼い方、観察の醍醐味などをより詳しくお伝えします!