家づくりの本を読むと、
まず、「駐車場の位置を決めよ」と書いてあります。
そうなのか! ← 単純(笑)
でも、家が建った今でもそう思います。毎日の生活に自動車が欠かせないですので、駐車場の位置がとっても大事です。
駐車場の位置によって、ライフスタイルまで変わってしまうような気もします。
もし、毎日、通勤に自動車を使うのであれば、その出し入れにストレスを感じない様にするというのは、とっても大事なことですし、子供を乗せるとき、荷物を乗せるときを想定すると、駐車位置がとても大事だと思います。
駐車場の位置が決まると、玄関の位置も自然と、その近くに決まるのではないでしょうか。
もちろん、奇を衒った設計にして、意外な場所に玄関をもってくるというのも面白いですが、通常の住宅だと駐車場脇に玄関となりますよね・・・
うちの土地は、冒頭画像左上の様に、
東西に細長い長方形で、北側と西側に道路が接しています。
(緑が敷地、黒が道路です。)
北側の道路はやや狭い一方でそこそこ往来があるので、人通りのほとんどない西側の道路から、車はアプローチしたいと思っていました。であるならば、南側からの採光を考えると、自然と南側に庭を置くことになります。
当初は、右上のような「コ」の字型の家や、左下のような「L」字型の家も考えていました。
(紫が車です。オレンジが家です。田舎ですので、2台持ちが普通の地域です。)
営業さんによると、「コ」の字型の家では、真ん中の囲われた中庭的スペースは、十分に広さをとるか、具体的な使用用途を想定していないと、意外にデッドスペースになりやすく、一時は流行ったスタイルだそうですが、最近は少なめとのことでした。
また、2階建ての予定でしたが、家の躯体形状が複雑になるので、FREXにならざるを得ず、躯体のコストが上がってしまう(確か、数百〜一千万円程度)とのことでした。住宅規模が大きめですので、できれば、CUBICにして躯体コストを安く抑えたいと思いました。
さらに、自動車を2台並列で並べる様にすると、北西の角部のスペースが、ぽっかり空いてしまいます。
そのため、「コ」の字型プランは却下しました。
左下が、仮契約前のプランの状態ですが、南東に開いたL字型のプランです。
採光はピカイチで、西側は窓無しにすると、西陽も遮れます。
また、庭が道路側から目隠しされるので、プライバシーの確保に良いのですが、
やはり左上にぽっかりと空きスペースができます。
ここをお客様用や配達車用駐車場に・・・という話でしたが、
そんなにお客様も配達車も来ないし、我が家の場合は、不要なスペースと考えました。
横長の土地を最も効率良く使うのはどういう形なのか、
駐車場は西側、庭は南側・・・
定規片手に、たくさん図を書いて悩みましたが、納得できたのは
とてもシンプルな配置でした。それが右下です。
当たり前です。土地と同じ形で配置するのが、
一番、効率よいのです。なんで、こんな簡単なことに、
すぐ気づかなかったんだろう。
家の形も無駄な凹凸がなく、CUBICで躯体もOKでした。
庭も広く、効率良く使えそうです。
いやいや、こんな提案は営業さんにしてもらえよ、と思われる方もいるかもしれませんが、我が家の場合は営業さんの提案には飽き足らず、自分たちから積極的に図を書いて、提案していました。でも、これが注文住宅の醍醐味ですよね。
それは決して営業さんの提案に不満があったわけではありません。営業さんは知識や経験の「引き出し」をいっぱいもってますので、我々の素人目線から希望に見合った「素朴な」提案を繰り返し、プロの意見を織り交ぜることで、理想の家を模索していったように思います。
「コ」や「L」の家もそんな発想の中からでてきたプランでしたが、プロの意見を聞く中で、効率的に土地を使えていない感が出て来てしまい、コストと合わせて、最終的にはシンプルな長方形となりました。
(こういうやりとりは間取り決めの中でもありましたので、結局できあがった家の間取りは、私が手書きで書いた間取り案とほぼほぼ一緒だったりもします。)
で、今、住んでいてどうかと思うと、とても満足です。満足ですが、もうちょっと変化があっても良かったかなとも思います。ただ、その場合には、ヘーベルではなく建築家と作る木造の家でないと、実現できなかったと思いますので、ヘーベルで得られている安心感というのは享受できなかったですね。
どんなこともトレードオフですよね。一方を立てれば、一方が立たない。
そんな中ではバランスのとれた良い選択だったと思いますので、後悔はしていません。
変化に富んだおもしろい家は、庭の空間作りで実現していくか、将来の別荘の夢としてとっておこうと思います。