7月から始まりました新コーナー「実況!隣の家づくり」。
こちらは、今現在、家を建てているご夫婦にご協力いただき、家づくりを密着取材するものです。
家を建てている方の過程をご紹介することで、これから家を建てる方の疑問や悩みを少しでも解決できればと思っています。

さて、今回は愛西市にご自宅を新築中の松川さん邸、第3回です。

松川さんご夫妻には、これまで「家づくりのきっかけと資金計画」「土地探しから土地決定」について伺ってきました。

保険の見直しをする中で、金利などの面から家づくりに今が最適と判断し「資金計画」「土地探し」「ハウスメーカー探し」「間取りと家具の決定」の4つを同時進行されてきたお二人。

さて今回は「マイホームの間取り・ハウスメーカー決定」です。
お二人の行動力や調査力が、今回も楽しみです。

展示場は7会場を見学。徹底した調査はここにも!

土地探しの際、今後の夢や現在の不満点などを書き出して条件を絞り込んだお二人ですが、ハウスメーカーや間取りを決める際にも、それを実践したそうです。

「書き出してみる」という手法は、実は展示場の営業マンに勧められたんです。
これによって自分たちが本当に望んでいるものが明確になりました。

私が第一条件に挙げていたのは、土地探しの時と同じく「耐震」でした。
阪神大震災を経験したからです。
間取りについては、土地探しの時から重要視している「日当たり」をはじめ「テレビを見ながら料理ができる対面キッチン」「リビング内階段」「収納を増やしたい」など思いつくままに挙げましたね。
ウォークイン・クローゼットや本棚など備え付けの収納を作りたいと思っていました。

ふたりとも野球が大好きなので、野球に関連したものも置きたいと思って、、「バッティングの練習をするスペース」や「将来バットにする木を育てたい」なども挙げていました。
展示場には7会場ほど、建売、ハウスメーカーさんの家で建てた方のお宅なども含めると10以上見て回りました。
会社によってコンセプトもセールスポイントも違い、見ているだけで勉強になりましたし、いろいろな家を見てきたせいか、各社の特徴が言えるまでになっていました(笑)。

間取りやインテリアも参考にさせていただき、「これは使える!」と思ったネタは自分たちの間取りなどにもちゃっかり活かしたり(笑)
どこで建てるか絞り込んだ段階で、メーカーの工場見学にも行って作り方も確認しました。

展示場は坪数も一般的なものより大きく、魅せる要素が強いので、それだけでは参考にならないと思っていました。
実際に住んでいる方のお宅と建売住宅の間取りの両方を見たおかげで、現実的な間取りを知ることができ、自分たちの間取り作りにも活かすことができました。

冷静に客観的に家を見つめ、その裏づけを固めるごとく、情報を集めて自ら動く姿勢には、毎回脱帽です。
こうして多くのハウスメーカーの中から、お二人は候補を2社に絞りこみました。

営業側の目線に立って考え、「自分が売りたい家」に決定

お二人の価値感は、洋服に例えるなら1,000円のものを数点買うというより、10,000円のものを厳選して大切に使うタイプ。
ですから家づくりにおいても、初期費用は高くても「丈夫で長く使える良質なもの」をテーマに選びたかったそうです。

当然家を見る目は厳しくなりますが、「自分が売りたい家はどれだろう?」という思いで冷静に判断した結果、工場見学にも行き、ハウスメーカーをセキスイハイムに決めました。

工場生産が8割、現場作業2割で家をつくるユニット工法で、セキスイハイムさんが日本で一番長くこの工法で家を建てている実績が決め手となりました。
ユニット工法のよいところは機械が仕上げる量が多いことと、天候に左右されずに作業ができるということです。

また空調面もしっかり計画した結果、長い時間過ごす1階だけ快適エアリー(冷暖房)を導入し、エアコン無しで快適に1年中過ごせるようにしました。
床暖房の場合、設置した部屋だけしか暖められないので、室内の温度差が大きくなり、ヒートショックのリスクが考えられるので、なるべく室内の温度差が大きくしないために導入しました。
こうした機能はコストがかかると思われがちですが、スイッチひとつで部屋ごとに温度を変えられて、必要のない部屋はOFFにすることもできるし、人感センサーが付いているので、無駄に電気代を消耗するということはありません。

デメリットは初期費用が高いことなのですが、住んでからのメンテナンス費を抑えられる家にしたくて、外壁は磁器タイル製外壁で雨で汚れを落とせるタイルに、屋根は劣化しにくいステンレス製にしました。
外壁のメンテナンス15年目くらいに行う事が多いのですが、費用は150万くらいかかります。
さらに太陽光発電を設置して光熱費を捻出したり、あまった電気を売れば収益にもなりますし、こうしたランニングコスト計算は綿密に行いました。

今後は子どもを持つことも考えているのですが、修繕費がかかる15年~20年後は、子どもの学費がかさむ時なので、その時にお金がかからないようにしたいと思いました。
また災害対策も考えて、蓄電機をつけています。
蓄電機の電気もよく考えられていて、電気代の安い深夜の電力を貯めておいたり、太陽光でためた電力を回したり、その時の電力量に応じてスイッチで切り替えられるんです。

松川家のランニングコストの計算の詳細は全開の記事を、ぜひ合わせてご覧ください!

長い目で見た快適性の追求と「丈夫で長持ちする家」にしたいという願いが、ここなら叶えられるかなと思いました。

そんな条件を満たしつつも、最終的にポイントになったのは「人」だったとお二人は語ります。

決め手は営業マンとの相性です。
たくさん周ったのでわかったのですが、私たちのことを知ってくれてるからこそ悩みが打ち明けられたり、逆に「松川さんにはこっちの方が合うんじゃない?」という提案をしてもらえたかなあって。
打ち合わせをしていても「スムーズに進むなあ」という実感がありました。
でもこれは、わが家の場合というか、施主側と施工側の相性や性格にもよるかもしれませんね。

さて、とうとうハウスメーカーを決め、家づくりの本題に入っていったお二人。
実際の間取りでは、どのような思いを盛りこんだのでしょうか?

展示場で提案してもらったプランでいいと思ったことは、必ずメモしていました。
それからテレビやネットで得た情報、散歩で見つけた家など、「やってみたいこと」は、何でも書き留めておきましたね。

本や雑誌も読みましたが、やはり実際見たほうがいいですね。
展示場や実際に住んでいるお宅など、たくさん周ったことが役立って、特に収納の作り方は勉強になりました。

ここでも「自分の持ち物をすべて書き出す」という方式を実行したんです。
今の家で収納してるオフシーズンのものとかお客様用布団とか、それこそバットの一本まで(笑)
すべて書き出して、自分たちの持ちもの、収めたいものを徹底的に洗い出しました。

リストアップしたことで自分の持ちもの、大切なものが把握できたので、無駄な収納スペースを作ることが防げたと思います。

スペースの有効利用についても勉強できました。
例えばリビングにオープン階段を設けて、その下のスペースを書斎コーナーにしていた展示場があって。
これはやってみたいなと思ったもののひとつでした。

すべてのリサーチと行動を同時進行させ、短期間で間取りやハウスメーカーの決定に至った松川さんご夫妻。
驚くことに、少しずつですが家具を決めることもスタートさせているとか!
「持ちものを全て書き出す」というのは、家づくりを考えている人だけではなく、快適な暮らしをしたいと思っている人にも格好のヒントになったと思います。

非常に多くの展示場を周り、企業別の特徴まで見極められるほどになったお二人ですが、条件や希望を活かしながらも、最終的には営業マンとの相性が決め手になったというのが、調査だけでは見えない、家づくりの楽しさなのかもしれません。

さて、次回は解体工事と地鎮祭、そして棟上げの様子を、実際の現場にお邪魔してレポートしてみたいと思います。
こだわるところにはところんこだわるお二人が、どんなインテリアをつくっていくのでしょうか?
現在進行中の家具リサーチにも、興味がわきますね。